J最強切り札の証明! 広島の優勝を決めた浅野の「絶対に決める」という強き意志
スプリント回数に表れた全力プレー
リーグ戦から、定番の起用法だった。1トップで佐藤が先発し、浅野が途中からピッチに入る。前半から相手DFとの駆け引きにたけた佐藤に高い集中力を強いられた相手DFは疲弊。後半の疲れが出てきた時間帯に浅野を投入して持ち前のスピードを生かす。全34節のリーグ戦で、浅野が途中出場から決めたゴールはリーグトップの8ゴールだった。年間チャンピオンを決めるこの大一番でも、その起用は的中した。
データ上でも、浅野が自身のスピードを生かしたプレーを見せていたことは証明されている。30分強の出場時間の中で、16回のスプリント回数を記録した。これは、広島のチーム内でスタメン出場を含めた全選手の中で3位タイの数字だ。まさに、限られた時間の中で自身の力を出し切り、チームの勝利を呼び込むスーパーサブとしての役割を果たしたと言えるだろう。
これで、広島は2年ぶりのJリーグチャンピオンとして、10日に開幕するクラブワールドカップに挑むことになる。そして、二冠を懸けた天皇杯の戦いも残っている。
「今年は終わっていないですし、残りの試合もみなさん一緒に戦ってください!」
そう呼びかけた21歳の若武者が、世界を相手にそのスピードをいかんなく発揮するはずだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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