「パラグアイ戦出場17人」を金田喜稔が採点 文句なしの“5つ星”、危うさが見えた選手は?

無失点に貢献したDF吉田だが、危うさを感じさせる場面も【写真:高橋学】
無失点に貢献したDF吉田だが、危うさを感じさせる場面も【写真:高橋学】

決定的ピンチを招いた吉田 「安易に飛び込まずクロスを上げさせる対応でも良かった」

<DF>
■長友佑都(ガラタサライ/→後半22分OUT)=★★★★

 森保監督のチームになってから、前線の4人が機能している試合では無理にサイドバックがオーバーラップせず、後方をケアする場面が増えていたが、この試合では何度か高い位置に進出してチャンスを演出した。ここというタイミングを逃さない動きは素晴らしく、1点目の場面では中央に絞った中島に相手DFが引きつけられた瞬間に縦へ走り出しフリーでボールを受けた。クロスは相手に当たってコースが変わっているが、見事に大迫の先制点を演出した。

■酒井宏樹(マルセイユ/→ハーフタイムOUT)=★★★★

 長友と同様、最近の代表チームでは攻撃面での関与は少ないが、パラグアイ戦では見事なワンタッチクロスで南野のゴールをお膳立て。守備面でもマルセイユでの充実ぶりを示すような安定感を見せた。

■吉田麻也(サウサンプトン)=★★★

 フル出場し、ディフェンスリーダーとして守備を統率しながら無失点で終えたことは評価したい。ただ前半36分に長友の背後を突かれた相手のカウンターのシーンで、左サイドを抜け出してきたブライアン・サムディオにボールが出された瞬間、吉田は一気に距離を詰めていったが、ファーストタッチで逆を取られてペナルティーエリアへの侵入を許し、あわや失点のピンチを招いた。あの場面では安易に飛び込まず、中の枚数は揃っていたのだから外に行かせてクロスを上げさせる対応でも良かった。今季のサウサンプトンで思うように出場機会をつかめていない影響もあったのだろうが、各国が日本に対しカウンターを仕掛けてくるW杯予選に向けて、危うさを感じるプレーだった。

■冨安健洋(ボローニャ)=★★★★

 限りなく5つ星に近い評価。昨年のA代表デビュー以来、急成長している選手だが、今季ボローニャに移籍して右サイドバックも務めるなかでさらにプレーの幅を広げている。この日は前半センターバック、後半は右サイドバックと2つのポジションでプレーしたなか、守備面で破綻をきたすことなく戦術理解度の高さ、足もとの上手さを発揮。若いからこそ日常のすべてが経験になっており、日本代表のセンターバックのポジション争いが激しさを増すなかでも、頭一つ抜け出した存在と感じさせるパフォーマンスだった。

<GK>
■権田修一(ポルティモネンセ)=★★★★

 今季所属するポルティモネンセで試合に出られておらず、試合勘やコンディションで難しい面があるなかでの失点ゼロは評価したい。前半には強烈なシュートを2本受けたが、素晴らしいセービングで対応。特に前半36分に左サイドを吉田が突破されて至近距離から放たれたシュートへの反応は見事で、無失点勝利に大きく貢献した。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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