身体のプロに訊く「なぜメッシはフェイントなしで抜けるのか」
メッシを目指すなら反応速度を早める練習が有効
メッシは27歳と、今後まだまだ活躍できるでしょう。ただ、歳を取るほどに身体は固くなっていきます。ストレッチ、身体をほぐす、ケアをする、そういう柔軟性が落ちないようなトレーニングを積んでいけば、年齢を重ねても特性を失わずに活躍できると思います。
逆に、30歳を過ぎてパフォーマンスが落ちていく選手というのは、柔軟性の確保を怠っている選手が多いですね。オランダのスナイデルなどに、その気配を感じました。しっかりほぐして、柔軟に動ける身体を維持することです。筋トレばかりして、身体を固める方向に行かないようにせねばなりません(正直なところ、メッシも2~3年前と比べると固くなっている印象を受けています)。
もしメッシのような選手になりたいと思うなら、反応速度を早める訓練をするのが有効でしょう。合図があったら素早く反応する、掛け声に反応してすぐに踏み出すとか。子どもたちに導入するのであれば、おもしろく取り組めるような内容を工夫してみると良いでしょう。
また、足で動こうとするのではなく、胸の中心にある重心を行きたい方向に素早く倒していく、そういう練習をすれば良いと思います。あくまで、重要なのは重心を素早く移動させることです。地面に接している足のうらの外側に重心を出すことは怖いことですが、それらの動きをパッパッとできるようになれば、俊敏に動けるようになると思います。
Oriental Physio Academy
代表の波田野征美(はたの・まさはる)、副代表の高木翔(たかぎ・しょう)をはじめとする5名の理学療法士・柔道整復師、1名のメディア担当者で構成の理学療法士集団。“理学療法と東洋医学の融合”を掲げ、治療の可能性を追求するセラピストに対し様々な提案を行う。トリガーポイント療法、筋肉や筋膜の連鎖、東洋医学で使われる経路や経穴の知識、東洋医学の五行論を用いた筋膜やトリガーポイントの連鎖に関する知識、武術を応用したスポーツ動作など、提供する知識の幅は多岐にわたる。
Oriental Physio Academy高木翔/文:澤山大輔 /サカイク編集部
※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
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