トーレスの日本行きは正解だったのか? スペイン人記者が解説
“美しい去り際”よりも“未知なる挑戦”を求めたトーレス
アトレティコ・マドリードでプロデビューを果たしたトーレスは、リバプール、チェルシー、ACミランを経て、再びアトレティコに帰還したわけだが、昨夏に退団する際は、そのまま“心のクラブ”で引退するという選択肢もあった。キャリアのシナリオとしては、それが最も美しい終幕であるという見方もできるだろう。
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それでもゴンザレス氏は「フェルナンドは絶対的にアトレティコを愛していた。スペインという国ももちろん愛している」と断言しつつも、「だが、それと同時に彼がキャリアの晩年で新たなフットボール、新たな国、新たな経験に挑みたいという意志を抱いていたことも分かっていたよ」と、“美しい去り際”よりも“未知なる挑戦”を渇望していたことを指摘した。
Jリーグでは通算35試合5得点と、思うような結果を残すことはできなかったが、「結果的に、日本に来て良かったと思っている」と総括。「所属したクラブは厳しい状況下にあったが、それゆえにアトレティコ、リバプールやチェルシーでは得ることのできなかった、あらゆる経験を積むことができた」と、熾烈な残留争いの経験は糧となったことを主張している。
ラストゲームの記者会見では「悔いは一つもない」と断言したトーレス。鳥栖では困難な道のりを歩むことにはなったが、異国の地で新たなフットボールに触れるという目標を叶えることができたのは間違いないだろう。惨敗してもなお、穏やかな表情を見せていた“神の子”は、すでに次なるチャレンジを見据えているはずだ。