久保建英、レアルBからマジョルカへ「激動の16日間」 “武者修行”の先に見える道とは?
カスティージャでのプレーを「マルカ」、「AS」とも絶賛 「特別な選手と示した」
そしてプレシーズン最終戦となった18日のブルゴス戦(2-3)にもフル出場し、随所に素晴らしいプレーを披露する。1点目の起点となったほか、相手から何度もファウルを受けながらも惜しいシュートを放ち、“危険な存在”であることを改めて証明した。スペイン紙「AS」は試合後、「再び特別な選手であることを示した」と、そのパフォーマンスを大絶賛したのである。
さらに「AS」紙は、カスティージャで3試合を戦い終えた久保について「彼の入団はカスティージャのクオリティーが飛躍することを意味する。プレーした3試合で最も際立った選手となった。ラウール(・ゴンザレス)に敬意を表し、背番号7をつけることを決断した」と総括し、その存在がチームにとって非常に大きなものであることを強調した。
途中、バジャドリードへの期限付き移籍報道が出ながらも、カスティージャで着実に試合経験を積んでいった久保が、25日のラス・ロサス戦でセグンダBデビューを果たすのは間違いないと思われていた。しかし22日午前中に突如、マジョルカへの期限付き移籍というニュースが流れ、その日の午後には瞬く間にクラブから正式決定の発表が出された。
今季7シーズンぶりに1部へ返り咲いたマジョルカは、バジャドリード、レバンテ、エスパニョール、ビジャレアルとともに久保の具体的な移籍先候補として挙げられていた。久保は元日本代表FW大久保嘉人(現・ジュビロ磐田)、同MF家長昭博(現・川崎フロンターレ)に続く、クラブ史上3人目の日本人選手となったのである。
ここ1カ月以上、注目を浴び続けた久保のマジョルカ移籍はスペインでも大きな話題を呼び、23日に参加した初練習では通常よりも非常に多い報道陣が現地を訪れている。
しかし、マジョルカのビセンテ・モレーノ監督はこの日の記者会見で、2日後に行われる第2節レアル・ソシエダ戦よりも久保の契約が注目を集めていることに対して、「我々は日曜日にとても大事な試合を控えているので、レアル・ソシエダ戦について話さないのは、彼らに敬意を払っていないと思う」と苦言を呈した。
久保の招集メンバー入りについては「日曜日の試合にいるかは分からないし、今、重要なのはすでにいる選手たちだ」と明確にせず、「素晴らしいパフォーマンスを披露してくれることを願っている。なぜなら、それはマジョルカの利益になるからね」と期待を込めた。
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高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。