“神の子”トーレスは鳥栖に何をもたらしたか? 誰もが認めた衝撃と「一流の振る舞い」
現主将の福田は「すべてに対してリスペクトできるし、誇りに思ってやれる」と感謝
その言葉を胸に、18歳の松岡はハツラツとしたプレーをピッチ上で見せ、試合を重ねるごとに存在感を大きくしている。今季途中にトーレスを含む5人のキャプテンからその座を受け継ぎ、トーレスのJリーグ初ゴール(18年8月26日・第24節ガンバ大阪戦)をアシストしたキャプテンのMF福田晃斗は、その存在をこう語る。
「本当のスター選手で、僕もテレビで見ていた。一緒にプレーできるとは……。アシストした時もすごい反響がありましたし、一緒にプレーすることで、みんながいろんなところから評価を受け、注目される。そういう面でも僕らにいい影響をもたらしてくれた。この前(8月14日)の天皇杯3回戦・柏(レイソル)戦もそうですし、去年の残留争いの(横浜F・)マリノス戦もそうですけど、大事な試合で点を取れるのは“持っている”だけじゃなくて、それが実力。勝負強さを備えた選手だと思う。まだまだ世界のどこでも行けた選手だと思うなかで、サガン鳥栖での引退を決めて、最後に一緒にプレーできたことは光栄だし、彼のすべてに対してリスペクトできる。これからも誇りに思ってやれる」
こんな偉大な選手がチームに加わったことで、鳥栖のサッカーは変わったのか――。結論から言えば、それは「ノー」だ。ハードワークすることや球際で激しく戦うという“鳥栖らしいサッカー”にブレが生じることはなかった。だが、その質に関しては、少なからず影響を与えている。再び、福田の言葉を借りよう。
「フェルナンドがファウルした時も、『これくらいでファウルなのか?』という雰囲気を出している。世界では、あんな感じで行ってもファウルじゃないところもあるのかなと感じた。それを間近で見られたのは、自分たちにとってプラス」