1年でのJ1復帰へ望みをつないだC大阪 愛媛を圧倒も攻撃に課題を残し、最終決戦へ
攻撃の圧力は最後まで落ちなかったが…
後半最初のチャンスはC大阪。後半2分に田代が相手DFを引きずるようにドリブルでペナルティーエリアへ侵入すると、左足のシュートを放ったが、ボールはわずかにゴール右へ外れていった。それを契機にC大阪が攻撃の圧力を強め、愛媛は奪ったボールをカウンターにつなげることもできずに防戦一方の展開になった。
愛媛の木山隆之監督は後半20分を前にMF白井康介とMF安田晃大を投入し、流れを変えにかかる。一方、C大阪の大熊監督もMFパブロをピッチに送り込んだ。引き分けが許されず勝利が必要なのは愛媛だったが、ゲームはその立場が逆なのかと感じられるほど、C大阪が猛攻撃を仕掛け続けた。後半30分には、最終ラインの裏に抜け出した田代がGKと1対1になったが、左足のシュートは枠を外れる。試合はスコアレスのまま終盤戦へ入っていった。
C大阪の大熊監督は、残り10分で存在感を見せていたFW玉田圭司に代えてFWエジミウソンをピッチへ。攻撃の圧力を落とさないことで、愛媛に攻撃の時間を渡さない采配を見せた。愛媛も前線の瀬沼とFW河原和寿にボールを預けようとするが、孤立した状態でキープすら簡単にさせてもらえない。
愛媛が攻撃に出られるようになったのは、残り時間が5分を切ろうかという時間帯になってから。アディショナルタイムのCKでは、GK児玉も攻撃参加して決勝ゴールを狙いにいった。しかし、最後のところで集中したC大阪の牙城は崩せず、タイムアップ。スコアレスドローとなり、C大阪が決勝進出を決めた。
圧倒的にゲームを支配しながら得点を奪えないという課題が残ったC大阪だが、1年でのJ1復帰への道はつながった。J2からの昇格3番目の椅子を懸けた決勝戦の対戦相手は、もう一つの準決勝で長崎を破ったリーグ3位の福岡。決戦は、12月6日の15時35分にヤンマースタジアム長居でキックオフされる。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web