「スタジアムは沈黙に…」 “パネンカ”PK失敗に批判殺到「まるで道化」「擁護不能」
サン・ロレンソFWバレイロが“パネンカ”にトライも… シュートはクロスバーの上へ
アルゼンチンの名門サン・ロレンソは現地時間17日、1部リーグ第3節でロサリオ・セントラルと対戦し、2-2で引き分けた。両チームともに開幕からの連勝が「2」でストップしたなか、サン・ロレンソFWの“パネンカ”失敗が批判の対象となっている。
サッカーにおいて最も得点の可能性が高いセットプレーがPKだ。GKとの1対1でキッカーの優位は動かし難く、GKがストップすればスーパープレーとなる。一方で、絶対的優位だからこそキッカー側がトリックを入れることもあり、なかでも近年、ポピュラーになっているのが“パネンカ”と呼ばれるチップキックだ。バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシやレアル・マドリードのスペイン代表DFセルヒオ・ラモスも使い手として知られる。
だが、ボールスピードが出ないキックのため、ミスすればGKに簡単に止められる危険もはらむ。今回、批判の対象となってしまったパラグアイ人FWアダム・バレイロの場合は、その逆パターンとも言えるミスだった。
ロサリオ・セントラル戦でサン・ロレンソにPKが与えられたのは、1-2で迎えた前半33分のこと。同点ゴールを奪うべくキッカーを任されたのはバレイロ。助走時にフェイントを入れながら放たれた“パネンカ”は十分なスピードだったが、GKだけではなくクロスバーも越え、ピッチ外へと飛んでいってしまった。
サッカー専門メディア「Be Soccer」のスペイン版は、「バレイロはこの日、最も恥ずかしいプレーをアルゼンチンで見せた」と綴り、「PKのチャンスをパネンカでクロスバーの上に放り込んだ」とミスを揶揄。「スタジアムは沈黙に包まれた」と現地の空気感をレポートしている。
また、衛星放送「TNTスポーツ」公式ツイッターは「どこに蹴っているの? バレイロは華麗に決めようとしたけれど…」とコメントを添えてPK失敗の様子を動画で投稿。返信欄には「まるで道化だ」「自分はパラグアイ人だけど擁護不能」「もう誰もチップキックをしないんじゃないか」「こんな敬意を欠くPKはもう止めよう」と多くの反響が寄せられている。
まさに針のむしろ状態のバレイロだが、不幸中の幸いはその後、サン・ロレンソが2-2に追い付いてゲームを終えたことか。PKは絶対的なチャンスだからこそ、“工夫”が失敗した時の批判も大きなものになるのかもしれない。