“貴公子”ベッカム、W杯での芸術FK弾に再注目 「史上最高」「ウルトラ・レジェンド」
2006年ドイツW杯のエクアドル戦で決勝FK弾を叩き込む
2000年代初期のサッカー界で、世界的スーパースターの地位を築いていた1人が、元イングランド代表MFデイビッド・ベッカムだろう。多くの日本人にとっては、02年日韓ワールドカップ(W杯)時の“貴公子”ぶりが印象深いかもしれないが、イングランド代表として通算115試合17得点を記録し、主将も務めるなど輝かしい足跡を残した。そんなベッカムが、自身3度目の出場となった06年ドイツW杯で決めた芸術的なFK弾に、W杯公式インスタグラムが最注目。動画を公開すると、コメント欄には「フリーキックの達人」「ウルトラ・レジェンド」などの賛辞が並んだ。
ベッカムは1992年に、マンチェスター・ユナイテッドでトップデビュー。名将アレックス・ファーガソンの下で右足の高精度キックを武器に頭角を現すと、20歳で迎えた95-96シーズンにブレイクを果たし主力の座をつかんだ。その後はスターへの階段を駆け上がり、イングランド代表にも定着。2003年には“銀河系軍団”レアル・マドリードへ移籍するなど、サッカー界の話題の中心にいた。
そんなベッカムが母国のキャプテンとして挑んだのが、06年ドイツW杯だ。グループリーグを首位通過したイングランドは、決勝トーナメント1回戦でエクアドルと対戦。相手の守備を思うように崩せず、0-0のまま迎えた後半15分だった。ゴールまで約25メートルの距離で得たFKのチャンス。ベッカムが独特のフォームから右足を振り抜くと、ボールは美しい弧を描きながらゴール左隅に吸い込まれ、これが決勝点となってチームは8強進出を果たした。
13年前に生まれたこの芸術的なFKの動画が、15日にW杯公式インスタグラムで公開されると、多くのファンが反応。「フリーキックの達人」「最高のFKキッカー」「フットボール史上最高のFKの一つ」「ウルトラ・レジェンド」「なんて美しい一撃だ」など称賛の声が上がった一方、FWウェイン・ルーニー(現D.C.ユナイテッド)やMFフランク・ランパード(現チェルシー監督)、MFスティーブン・ジェラード(現レンジャーズ監督)らと共闘していた当時を懐かしむコメントもあった。
豪華な陣容を誇ったイングランドは結局、準々決勝でポルトガルにPK戦の末に敗れた。ベッカムは代表でメジャータイトルを手にすることはできなかったが、13年前に決めた一撃は人々の記憶に深く刻まれているようだ。