後半に“3度のPK”、主審判定に浦和&水戸の両者から異議続出 「本当にPKか疑わしい」
天皇杯3回戦で浦和が2-1勝利も…全3ゴールがPKで生まれて波紋呼ぶ
第99回天皇杯の3回戦が14日に開催され、ケーズデンキスタジアム水戸ではJ1浦和レッズとJ2水戸ホーリーホックが対戦。浦和が2-1で勝利した一戦は、3ゴールすべてがPKという異例の展開になった。試合後の両チームからは、主審を務めた佐藤隆司レフェリーの判定に異論が出る事態となっている。
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前半を0-0で折り返した試合は後半6分、水戸FWジョーと浦和DF森脇良太がペナルティーエリア左サイドのライン付近でもつれたところで水戸にPKが与えられた。ボールには先に森脇が触ってコントロールしていたように見えた場面で、佐藤レフェリーはPKを宣告。これをジョーが自ら蹴り込んだ。判定直後にピッチに倒れ込んだ森脇は試合後に、「1億パーセント、ファウルではないと思っています」と、そのジャッジに納得がいかない様子だった。
また、同17分には浦和FWマルティノスが右サイドのゴールライン際からペナルティーエリア内まで切り込みシュート、GKが弾いたところの混戦のなかで倒れると再びPKの判定になった。また、同34分には浦和のMF柴戸海が右サイドからバックパスをし、ペナルティーエリア内の右45度付近からMF関根貴大が中央に切り込もうとしたところで、水戸のMF浅野雄也がタックル。ボールはそのタックルと同じ方向に飛んだが、佐藤レフェリーの判定はPKだった。この2本のPKは、いずれもFWファブリシオが決めた。
試合後に水戸の長谷部茂利監督は、記者会見で「選手たちが、仕事とはいえ一生懸命に100パーセントのところでプレーをしているなかで、主審のジャッジには異議があります。判定は覆るものではありませんが、悔しさがあります」とコメント。さらに「全体に、本当にPKかどうか疑わしい。今日の試合は3回PKになるほど荒れたものでもなく、あれがPKなら他のプレーでイエローカードが出ないのもどうなのか」と、納得がいかない様子だった。
今後、世界のサッカー界の流れはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の導入に向けて進んでいる。PKのシーンは必ずVARのチェックが入ることから、判定に説得力が増すのは事実だろう。しかしながら、実際にプレーしている選手や監督が両チーム揃って納得がいかないとコメントする判定になってしまったことで、後味の悪さを残してしまったこともまた事実だと言えるだろう。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)