屈辱の無冠継続… CS準決勝で敗れた浦和ペトロヴィッチ監督「運に味方されなかった」
来日10年間で主要タイトルなし 「ヨーロッパでも日本でもああいうシーンで運がないことが多かった」
奮闘実らず、力尽きた選手をねぎらった指揮官は、延長後半13分に喫した2失点目に至るまでの流れに及ぶと、ため息交じりに言葉をつないだ。
「あのシーンで私がコメントできることは、運がなかったなと。私自身、監督として仕事をしてきたなかで、ヨーロッパでも日本でも、ああいうシーンでどちらかと言うと運がないことが多かった。そういった監督としての宿命なのかと、思わざるを得ないシーンだった」
延長後半13分、浦和の前線からのプレスによってG大阪DF丹羽大輝はGKへのバックパスを選択。だがこれが完全なミスキックとなってしまい、ボールはゴールへ向かっていく。だが、GK東口順昭が必死に伸ばした足をかすめたボールは、左ポストを叩き浦和に決定的な2点目とならなかった。
「昨日の試合前の記者会見でも、今日は運も私のほうに味方していることを期待したいと話したが、その思いとは裏腹に、あのシーンを見る限り、我々に運がなかったと思わざるを得ない。チームとしてすべてを懸けて戦ったが、最後は運に味方されなかった」
そしてこのシーンの直後、G大阪に鋭いカウンターを許して失点。試合終了間際にも3点目を失い、ホームで1-3と敗れ、浦和のリーグ制覇に向けた戦いは幕を閉じた。だが、日本でタイトルを手にできず、退任後の広島が今季も年間最多勝ち点を積み重ね、これまでリーグ優勝などの栄冠をつかむ現状で、無冠の理由を「運」の一言で片付けていいものだろうか。