明暗分かれたトットナムのパニック・バイ

　マンCのパニック・バイで紹介されたのは、ベンジャミン・ムワルワリとロビーニョ。ポーツマスで点取り屋として活躍していたムワルワリは、2007-08シーズンの冬の移籍市場最終日となった1月31日、搭乗予定の飛行機に乗り遅れ、マンチェスターでの交渉終結が遅れたため移籍話が決裂しかけたが加入。そのシーズンはマンチェスター・ダービーでゴールを奪うなど13試合3得点の成績を残したが、翌シーズン以降は目立った活躍を見せられずに2010年にチームを去った。

　そして2008年の夏、オイルマネーの介入により一気に大富豪クラブとなったマンCは、大型補強を敢行。ロビーニョは当初チェルシー加入を望むも、移籍市場締め切り寸前の数時間前にマンC移籍が決定し、その後エースとして古豪の復活に貢献した、

　トットナムに生じたパニック・バイは、明暗がくっきりと分かれた。2013-14シーズン開幕前、ギャレス・ベイルがレアルに引き抜かれたが、8400万ポンド(約154億円)もの移籍金が懐に舞い込んできた。その巨額の資金を使い、エースの穴埋めとチームを改革するため、同シーズンの移籍市場閉鎖間際にエリク・ラメラ、ロベルト・ソルダード(現ビジャレアル)、パウリーニョ(現広州恒大)、クリスチャン・エリクセン、MFエティエンヌ・カプエ(現ワトフォード)、DFヴラド・キリケシュ(現SSCナポリ)、MFナセル・チャドリを獲得した。

　エリクセンはいまやチームの心臓として大活躍しており、ラメラやチャドリもチームに貢献しているが、それ以外のソルダード、パウリーニョらはフィットし切れず、すでにクラブを後にしている。