「天才的な裏技を発明」 リバプール、新ルール対策に英メディア注目「真似される」
リバプールがFKの場面で、ボールとGKの直線上に3人の壁を立たせる
プレミアリーグは開幕戦の全試合を消化した。リバプールはノリッジをホームに迎え撃ち4-1と快勝を収めたが、終了間際のFKの場面で、今季から導入された新ルールに対応した“裏技”に注目が集まっている。
昨季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制したリバプールだったが、リーグ戦はプレミア歴代3位となる勝ち点「97」を積み上げたものの、優勝したマンチェスター・シティに1ポイント差及ばず。今季こそ悲願のプレミアリーグ制覇を目指すなか、開幕戦のノリッジ戦を迎えた。
試合は前半7分、相手のオウンゴールで先制すると、同19分にエジプト代表FWモハメド・サラー、同28分にオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイク、同42分にベルギー代表FWディボック・オリギがネットを揺らし、4ゴールのリードを持って前半を折り返す。
後半19分に失点を喫するも、リバプールは落ち着いたポゼッションでゲームをコントロールする。そして同39分に敵陣ペナルティーエリア手前、ゴール正面やや左の位置でFKを得ることに。今季からFKにおいて、守備側のチームの壁が3人以上の場合、攻撃側のチームは壁から1メートル以上離れなければならないという新ルールが導入されている。
このFKの場面でも、ノリッジが形成する壁は3人以上でリバプールの選手たちは1メートル以上離れなければならないが、リバプールはこの新ルールを逆手に取る対策を披露する。ノリッジの壁はニアサイドのコースを消すように立っていたなか、リバプールは壁の斜め1メートル手前、ファーサイド側に構える相手GKティム・クルルとキッカーの間に3人を立たせ、ボールの軌道が分かりにくい状況を作り出した。
キッカーのイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルドが右足を振り抜いた瞬間、リバプールの3人の壁はしゃがみ込みコースを作り出す。しかし、ゴール右上を狙った一撃はクルルがスーパーセーブで弾き出し、ゴールとはならなかった。それでも、開幕戦にしてリバプールが披露した“新ルール対策”に、英メディアが注目している。
英紙「ザ・サン」は「クロップ監督は新ルールに対し、天才的な裏技を発明した」と取り上げると、英メディア「GIVE ME SPORT」も「リバプールの秘技は、シーズンを通して多くのチームに真似されるのを目撃することになるだろう」と指摘している。新ルールは、攻撃側の選手が守備側の壁を妨害するのを防ぐために導入されたものだが、早くも一つの突破口が見出されたようだ。