「面白く、予想外のリアクション」 主審にボール直撃も…“粋な”ジェスチャーが話題に

FWマルコムのキックしたボールが主審直撃…【写真:Getty Images】
FWマルコムのキックしたボールが主審直撃…【写真:Getty Images】

ゼニトFWマルコムのキックしたボールが主審直撃 直後にサムズアップで“許し”を与える

 主審がホイッスルを鳴らし、プレーを切ってボールをリスタートすべき位置に戻す。サッカーでは日常的に行われる行為だが、ロシア1部でちょっとした“事故”が発生した。不幸にも“被害者”となってしまった主審の粋なジェスチャーが欧州で話題となっている。

 今回、意図せず“加害者”となってしまったのは、今夏の移籍市場でバルセロナからゼニト・サンクトペテルブルクに加入したブラジル代表MFマルコムだ。マルコムはフランス1部ボルドーで頭角を現し、昨夏にバルセロナ移籍。当時、ボルドーが先にローマ移籍に合意しながらも、より好条件を提示したバルセロナ移籍に乗り換えたことから、ローマが法的措置の検討を表明するなど、大きな問題に発展していた。

 それから1年が経ち、マルコムは出場機会を求めてゼニトに移籍。ブラジルメディア「グローボ・エスポルチ」によるとデビュー戦のクラスノダール戦で自軍サポーターから人種差別的な横断幕を掲出される問題にも直面したが、現地時間11日に行われたディナモ・モスクワ戦でも後半開始から交代でピッチに入り、加入後2試合目の出場となった。

 そのなかでマルコムのあるプレーが“事故”につながってしまう。エヴジェニー・タービン主審が試合を止め、メモを取っている最中、ボールをリスタート地点に戻そうとしたマルコムは左足でロングフィード。しかし飛距離が足りず、タービン主審の胸にボールは直撃してしまった。ボールの直撃を受けたタービン主審は顔を上げてマルコムを見つめ、2秒ほど硬直。緊張感の走る瞬間となったが、無表情でマルコムを凝視したまま、右手のサムズアップで「問題ない」と伝える粋なジェスチャーを見せたのだ。

 この対応に海外メディアが反応。イタリア紙「ラ・レプブリカ」は「面白く、予想外のリアクション」と今回の一件を表現。英紙「ザ・サン」は「ロシアのサッカー界は週末、最もキツい眼差しを目撃した」としたうえで「エヴジェニー・タービンは一夜にしてインターネット上のセンセーションとなった」と反響の大きさに言及している。

 英メディア「GIVE ME SPORT」も「レフェリーがマルコムのパス直撃でバズる」と見出しを打ち、「マルコムはレッドカードの恐怖を感じていたかもしれないが、タービンは許しを与えた」と伝えた。アクシデントに対して一風変わった対応を見せたことで、タービン主審の名は欧州で一気に広まっているようだ。

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