南野&奥川のザルツブルク、レアル戦で得た“CL基準” 「夢」の本戦へ向けた課題とは?

奥川も抱く期待感 「今年、僕らのチームが出るというワクワクが大きい」

 だが、そうしたはっきりとした課題が露呈することこそが、このテストマッチの狙いだった。

 今季から指揮を執る監督のジョゼ・マーシュは、0-1と敗れた試合後の記者会見で「レアル・マドリードのようなレベルのチーム相手に、ギアを一つ落とす状況があったら、遠慮なくその隙を突かれてしまう。だが、それはそうした相手と対戦しなくては分からないことだ。それに先週のチェルシー戦と比べて明らかな改善が見られた試合だった。非常に重要な経験となった」と語っていた。1カ月後に控えるグループステージのスタートまでに、どのように取り組んでいくのかを見定めることができたことが、何よりの収穫だったことだろう。立ち位置としては初出場のチャレンジャーだが、CLに出ただけで満足するつもりはない。

「ずっと夢。テレビで見てきたのが間近に……。今年、僕らのチームが出るというワクワクが大きいです」

 奥川はCLの舞台をそう評した。

 その思いはみんな一緒だ。ザルツブルクのクラブ、ファンが一丸となって、夢の舞台に最高の準備をして挑む。

中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング