札幌MF小野伸二、笑顔で“北の大地”に別れ 「1日、1日が充実した時間だった」
古巣浦和との“ラストゲーム”は出番訪れず 「最後まで応援してもらえた」
J1北海道コンサドーレ札幌の元日本代表MF小野伸二は、5日にJ2のFC琉球への移籍が発表され、10日にJ1第22節・浦和レッズ戦(1-1)を終えると「1日、1日が充実していた時間だった」と、約5年にわたる札幌でのプレーを振り返った。
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小野は1998年に浦和に加入したのが、プロキャリアのスタートになった。その後は欧州移籍や浦和への復帰、再度の欧州行きや地元の清水エスパルスでのプレー、オーストラリアへの移籍を経て2014年6月に札幌へ加入。今夏の移籍が決まるまでの期間は約5年となり、キャリアのなかで最長の所属クラブになった。
古巣との試合は後半に入ってから浦和が先制し、札幌が追いつく展開。札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は3枚目の交代枠をギリギリまで残したが、後半アディショナルタイムにFWジェイからMF中野嘉大への交代が最後の枠になり、1-1の引き分けで出場機会は訪れなかった。
ほぼ満員となる3万5531人の観衆を集めた試合後に、セレモニーも行われた小野だが「サッカーを辞めるわけではないので、難しい気持ちでした。スタジアムの雰囲気が引退するみたいでしたから」と苦笑したが、「最後まで応援してもらえた。本当は勝って終わりたかったけど、みんなが大きなプレッシャーを抱えながらプレーして、追いついてくれた」と話した。
札幌での時間を「1日、1日が充実した時間だった。プレー時間は多くなかったけど、たくさんの人が小野伸二を応援してくれた」と感謝の思いで締めくくった。そして、琉球への移籍に「また新しいチームに行くので、自分なりにイチからのスタート。一つでも上の順位にして、J1に上がれるようにやっていきたい」と話した。
試合後には清水商業高校時代の同級生であり、浦和でもチームメートとしてプレーし、現在は浦和のコーチを務める平川忠亮氏とも再会し、笑顔で談笑してスタジアムを去った。北の大地から灼熱の沖縄に活躍の場を移す小野は、J2の舞台でどのようなプレーを見せてくれるだろうか。
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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)