失意のどん底ブラジルがオランダに挑む3位決定戦 勝敗以上に両国の“熱戦”に期待
ファン・ハールは大会無敗のままオールド・トラッフォードに乗り込めるか
一方のオランダは、アルゼンチンとPK戦までもつれこんでの敗戦。選手が120分戦ったこともあり、疲労から完全に回復するのは難しいだろう。また、負傷している選手を無理に使う、ということも避けるはずだ。ファン・ハール監督も何人か入れ替えるだろう。そういう意味では、死力を尽くす戦いにはならないかもしれない。だが、試合前から開催に否定的な発言をしているからと言って、オランダは手を抜くのでは、という懸念は全く必要ないと思う。
ファン・ハール監督はこの後、世界中に熱狂的なファンを抱えるマンチェスターユナイテッドを指揮することが決まっている。就任発表当初はその指導力や能力を疑問視する声も聞かれたが、オランダ躍進の原動力となった現実的な戦い方、特に限られた手駒を駆使してチームを勝利に導く采配は、前監督デイビッド・モイーズが昨シーズン見せたものと真逆であり、サポーターたちの期待は高まっている。
ちなみにアルゼンチン戦はトーナメント的には敗退になるが、試合そのものは引き分け扱いだ。まさか、最後に負けて自ら水を差すようなことをするとは思えない。手負いのブラジルを仕留めて無敗のまま、オールド・トラッフォードに乗り込みたいはずだ。
両チームが基本スタイルのまま試合に臨むなら、4-2-3-1のシステムで主導権を握りたいブラジル、5-3-2のシステムでカウンターを狙うオランダという構図がピッチ上に描かれるはずだ。
ネイマールを怪我で欠くブラジルのアタッカー陣は、今大会での活躍ぶりこそイマイチだが、元々のポテンシャルは高い。フィジカルを活かしたドリブル突破が持ち味のフッキ、俊敏性の高いベルナルジ、質の高いパスを供給するオスカルなど2列目の選手が中心になり、死にもの狂いでオランダゴールに襲いかかるだろう。