悲願のリーグ制覇に挑む”浦和の太陽” 「楽しむ」原点を忘れず攻撃を輝かせる

練習で見せた”ファンタジスタ”柏木の本領

 原点を忘れないで臨む――。それが“走るファンタジスタ”の、チャンピオンシップ攻略法だ。28日のJリーグチャンピオンシップ準決勝のG大阪戦に向け、リーグ年間2位の浦和は26日にトレーニングを行ったが、中心選手であるMF柏木陽介もフルメニューを消化。決戦の時に備えている。

「もちろん、レッズのためにタイトルを取りたいけど、まずはその試合を楽しむ気持ちがないと自分たちの良さは出せないし、特に自分は良さを出せない。まずサッカーを楽しむ、その試合を楽しむ、その雰囲気を楽しむということを心掛けたい。それが自分の良さにつながるし、チームの良さにつながるし、勝利につながっていく」

 トレーニング後の取材に対し、柏木はそう話した。

 紅白戦を軸に組み立てるミハイロ・ペトロヴィッチ監督のトレーニングは、決戦を前にしても変わらない。MF阿部勇樹と共に主力組のボランチに入った柏木も、普段と変わらない姿でプレーしていた。

 その中で、「楽しむ」という彼の言葉を大きく感じさせるプレーがあった。右サイド深くまで切り込んだ味方からペナルティエリアの角付近でバックパスを受けた柏木は、逆サイドをルックアップ。そこにはMF宇賀神友弥が走り込もうとしていた。左足を振りかぶり、誰もがそこへのパスを意識した瞬間、最も手前のニアサイドにいたMF梅崎司にノールックで短いスルーパス。相手も、取材していた報道陣もハッとするようなパスを通し、ゴールにつなげた。驚かせることを楽しんでいるかのようなプレーは、まさに“ファンタジスタ”のものだった。

 

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング