レアル久保建英と「3つの進路」 チームの現状と過去の事例に見る今季の“最適解”は?
期限付き移籍先の最有力候補はバジャドリード? 会長同士の関係性に注目
そんななか久保には現在、バジャドリードを筆頭に5クラブから期限付き移籍のオファーが届いていると「マルカ」紙が報じた。
バジャドリードはかつてレアルで活躍した元ブラジル代表FWロナウドが会長を務めるクラブで、昨シーズン、ヴィニシウスの期限付き移籍をレアルのフロレンティーノ・ペレス会長に直接申し入れるほど会長間の関係性は良好である。そして今シーズンもすでにDFハビ・サンチェスとMFホルヘ・デ・フルトスをカスティージャから期限付き移籍で獲得している。
さらにサッカー情報サイト「ドン・バロン」は、具体的な移籍先候補としてバジャドリードのほか、レバンテ、エスパニョール、ビジャレアル、マジョルカの名を挙げている。このなかでレバンテは2シーズン続けてFWボルハ・マジョラルが期限付き移籍で在籍しているクラブであり、エスパニョールはかつてルーカス・バスケスやアセンシオが期限付き移籍でプレーした。
その他、GKアンドリー・ルニンとMFオスカル・ロドリゲス(今シーズンも引き続き期限付き移籍で在籍)が昨シーズン、期限付き移籍でプレーしていた同じマドリード州のレガネスも候補の一つに入るかもしれない。しかし成長を促すために貸し出したルニンがほとんど起用されなかったことで、レアルが不快感を持っていたというネガティブな報道もあった。
様々な可能性があるなか、久保にとってベストの選択肢はスペイン1部の他クラブに期限付き移籍し、出場時間を得ることではないだろうか。そしておそらく、これが最終的にトップチームに所属するための一番の近道になると思われる。いずれにせよ、リーガが開幕する17日までに、久保のレアルでの最初の“進路”が決定する。
(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。