岡崎慎司と“滝二の先輩”の挑戦 独6部バサラ・マインツ、5年連続“昇格”と実現し始めた夢

バサラ・マインツの会長兼監督を務める山下喬氏【写真:FC BASARA Mainz】
バサラ・マインツの会長兼監督を務める山下喬氏【写真:FC BASARA Mainz】

マインツを気に入った岡崎 「帰ってこられる理由」になるクラブへ

 兵庫県の名門、滝川第二高出身の山下は2003年にプロ選手を目指して渡独し、下部リーグを渡り歩いた。06年にはFSVマインツ05のセカンドチーム(ドイツ4部)にも所属した経歴を持つ。その時にトップチームを率いていたのはあのユルゲン・クロップ。今や世界屈指の名将となった指揮官の下で、トップの練習に参加したこともあった。

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 しかし、山下は23歳の時に現役を引退。一度はサッカーから離れて現地の日系企業に就職したが、サッカーに携わりたいとの思いは消えず、独立して日本からドイツへ渡る選手の留学ビジネスに従事した。10年からは指導者となり、マインツの下部組織で正式にコーチとなった。

 13年夏に滝二の後輩、岡崎がブンデスリーガのシュツットガルトからマインツへ移籍してきた。これが山下にとって大きな転機となる。子どもの幼稚園が同じで、2人は一緒にカフェで話すことが多かった。ある時、岡崎から「ドイツでクラブをつくることをどう思いますか」と打ち明けられたという。

「彼はマインツの街やクラブをとても気に入っていました。でも、現役を引退したらここに戻ってくる理由はなかなか見つけにくい。そうしたなかで、(バサラ・マインツが)帰ってこられる理由の一つになり得ると考えていたみたいです。私も日本人選手をサポートする仕事をずっとしていたのもあって、それに関連した仕事の一つとして、選手の成長に貢献できたらと思っていました」

 自身も、いつかはクラブを立ち上げたいと考えていた矢先の出来事だった。「煮詰めていないことでも、面白いなと思ったら行動してしまうタイプ」という山下は、岡崎とともにすぐに準備を進めていった。

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