名古屋に誕生した“全権監督” レフティ・モンスター小倉が描く青写真とは

『名古屋スタイル』構築への強い意欲

 ストイコビッチ体制3年目の2010年にJリーグ初制覇を果たして以降、名古屋の成績は11年2位、12年7位、13年11位、14年10位、そして今季は年間9位と低迷が続いている。現状を打破するために、小倉新監督が強調していたのがスタイルの確立だ。自身が1993年に、オランダ2部のエクセルシオールに期限付き移籍した際の経験を例に、「やはりそれぞれのスタイルを持っているクラブや国は強い」と断言する。

「オランダでは各クラブに自分たちのスタイルがあって、そのスタイルがあるからこそ、その地域のファン・サポーター、スポンサーもより強く応援するというのを、私は19歳で行った時に強く感じました。グランパスもそうならなくてはいけないとずっと感じていました」

 今後の名古屋が目指すスタイルについては、詳細を詰めて来年1月の新体制発表会で打ち出したいと語ったが、現段階でのイメージとしては「スマートさ」、「テクニカル」、「共感」という3つのキーワードを挙げ、「僕自身の言葉で言うなら『5人目(の動き)』というサッカースタイルになってくる」と明かしている。そして、スタイル実現が容易ではないことも会見の中で強調していた。

「スタイルというのは目指すところではあっても、発表したからといって明日からできるものではありませんし、中長期的な目で見ていかないと確立されない。スタイルを作り上げるためには土台が必要なことも分かっている」

 そして、サッカーの持つ多面性にも言及した。

「サッカーは何をするスポーツなのか。プロの世界、勝ち負けがあり、勝利を求めていくのは当たり前で、そのためには点を取らなくては勝てない。ゴールを奪う姿勢を前面に出す中で、ボールを持っていないと点は奪えないし、奪い返しにいく守備も大事になってくる。混合的なしっかりとした戦う姿勢、厳しさを持ったチームにしないといけないと感じています」

 

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