国際プロサッカー選手会が“過密日程”に警鐘 年間70試合超の韓国代表FWらは「危険」
トップ選手16人の実態を調査 ソン・フンミンは昨季78試合、移動距離は11万km超え
国際プロサッカー選手会(Fifpro)が、過酷なスケジュールが選手の健康に危険を及ぼしていると警鐘を鳴らしている。英公共放送「BBC」が報じた。
欧州のリーグ戦は一般的に8月にスタートし、翌年5月まで約9カ月間の長きにわたる戦いが続く。リーグ戦だけでなく、国内カップ戦やUEFAチャンピオンズリーグなどの国際試合、トップ選手ともなれば代表戦での活動もある。プレシーズンにはプロモーションも兼ねた世界各国へのツアーも組まれるなど、移動も含めて過酷な日程は避けられない状況だ。
Fifproはトップ選手16人の昨季の出場記録や移動記録を調査。その結果、年間80試合近くもプレーした選手や、代表戦への参加で10万キロメートルを超える移動を強いられた選手がいることが分かり、「過酷な試合スケジュールにより、トップ選手の健康は危険に晒されている」と警鐘を鳴らしている。
たとえば、トットナムの韓国代表FWソン・フンミンは昨季公式戦で78試合に出場。代表戦参加のために移動距離は11万キロメートルを超えたという。出場した試合の72%は、前の試合との間隔が5日未満とハードすぎる日程でピッチに立っていた。
その他にも、リバプールのブラジル代表GKアリソン(72試合出場/移動距離8万キロメートル)やセネガル代表FWサディオ・マネ(70試合/移動距離10万キロメートル)などが、健康への危険性を危惧されるほどの過酷な戦いを強いられている。
Fifproはこうした懸念に対し、夏に4週間と冬に2週間の休暇を固定することや、5日以内に行われる試合数の制限、出場試合数の制限、登録選手数の増加などの7項目の勧告を出している。
リバプールのユルゲン・クロップ監督やマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督も、サッカー界のハードスケジュールには不満を露わにしている。選手たちを守るためにも、改善への動きが進むことを願うばかりだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)