名古屋の小倉GM補佐が来季「全権監督」に プロ監督1年目としては異例の大抜擢

42歳の”レフティー・モンスター” J指揮官としての第一歩を踏み出す

 名古屋グランパスは24日、小倉隆史GM補佐(42)の来季GM兼監督就任を発表した。また、久米一正代表取締役社長兼GMはGM職を退任し、代表取締役社長となることも発表された。

 ついに「レフティー・モンスター」が、指導者としてJリーグの舞台に戻ってくる。小倉氏の強化と現場のトップを兼ねる「全権監督」就任が決まった。42歳の若さで、しかも指導者経験も乏しい中での異例の大抜擢となる。

 現役時代は、豪快な左足のシュートと、華麗なプレーを武器に人気を集めた。一方で、怪我に泣かされるなど、悲運のストライカーとしても知られた。

 1992年、四日市中央工高から名古屋に加入し、93年にはオランダ2部のエクセルシオールへレンタル移籍。そこでチーム得点王になるなど、将来を嘱望される逸材だった。しかし、エースとして期待が集まったアトランタ五輪アジア最終予選の直前合宿で右足後十字靱帯(じんたい)を断裂。チームは28年ぶりに本大会に出場し、ブラジルを破る歴史的勝利を挙げたが、そこに小倉氏の姿はなかった。

 その後も手術を繰り返すなど、復活までに多くの時間を費やした苦労人だ。故障に泣きながらも2005年シーズンまで現役を続け、惜しまれつつもスパイクを脱いだ。引退後は解説者として活躍し、今季途中からはGM補佐としてプロキャリアをスタートさせた古巣に戻っていた。

 今季は、年間9位となった名古屋は、10年シーズンにリーグ初優勝を果たして以来、その成績は中位に低迷している。異例とも言える大抜擢を受けた新人監督は来季、難しいかじ取り役を任されることになりそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング