大分GK高木駿、“古巣戦”で示した成長 好セーブに同点弾起点…「元気な姿は見せられた」
「この試合と相手を基準に、どれだけ自分たちがレベルアップできるか」
もっとも、チームとしての90分間を振り返れば、一度劣勢に立たされてからの試合運びに課題を残したことも事実だ。背番号1を身に着ける守護神は、俯瞰した目線で反省しつつ、未来へと目を向けた。
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「途中までは良かったけど、結局フロンターレ相手に力で負けてしまった感じはする。これからこの差をどうやって埋めていけるかになってくると思うので、この試合と相手を基準に、どれだけ自分たちがレベルアップできるか。相手を見習って、自分たちがどうしないといけないかを考えていかないといけない」
そしてひと通り試合の振り返りを終えると、話題はかつてともに戦った選手たちとの対戦へ。そのなかでも前回対戦では欠場したMF中村憲剛、後半34分からの出場だったFW小林悠との対戦は楽しみにしていたという。今回は両者とも先発出場。最終的に3失点を喫したが、前半33分、37分と小林の決定的なシュートをセーブし、アディショナルタイムにはMF中村憲剛の直接FKを防いでみせた。
特に小林の2本目の決定機は至近距離からの反転シュートを右手1本でセーブしており、「完璧だった」と自画自賛。普段は冷静沈着ながら、思わず雄叫びをあげるほどだった。一方で、後半16分に決勝弾を決められたのも小林。「後半は痛い目に遭いました(笑)」と自虐したが、かつて練習で何度も対峙した名手たちとの“真剣勝負”を終え、一種の充実感も漂わせていた。
1-3で敗れた以上、試合自体への満足感はない。それでもチームは真っ向勝負の末に王者の強さを体感して課題を認識し、高木個人も元チームメートとの戦いから大いに刺激を得た。
「元気な姿は見せられたと思うし、すごく調子も良かった。自分自身、こういうプレーを続けていきたいとも思います。また等々力に戻ってこられるように、しっかり頑張りたい。『また次にフロンターレとやったときには』というのを考えながら、やっていきたいです」
チャレンジを続け、まだまだ伸びしろを残す大分というチームにあって、GKの果たす役割は他チームと比べても大きい。リーグ後半戦、大分を最後尾から支える高木は“古巣戦”を経て、どのようなプレーを見せてくれるのだろうか。