クロップが見せた不敵な笑み

　渾身のガッツポーズが敵地エティハド・スタジアムで舞った。トレードマークとも呼べるそのファイティング・スピリットが、水色に染まったスタンドの観客を静まり返らせた。4-1。スタジアムの電光掲示板には、ユルゲン・クロップ監督率いる新生リバプールが、首位を走るマンチェスター・シティに圧勝した事実を示す数字が刻み込まれていた。

　リバプールは22日、プレミアリーグ第13節で首位マンCと対戦し、アウェーで4-1と完勝。10位に低迷していたリバプールの反撃開始を告げるような勝利となった。順位も9位に浮上し、マンCはこの敗戦により首位陥落となった。

「首位を走るシティとの対戦を心待ちにしている」

　クロップ監督は試合前日の会見で不敵な笑みを浮かべ、そう口にしていた。誰しもが陽気な名将のリップサービス、もしくは優勝候補最右翼のチームへのリスペクトを表したコメントであると解釈していた。

　しかし、その発言は、格上マンCから勝ち点3を奪う算段を念入りに準備してきた自信からくるものであったことを、試合開始直後から思い知らされることとなる。