中村俊輔から久保建英へ… 日本人選手の“スペインサッカー挑戦記”に現地紙が注目
財前宣之に始まり、城彰二、中村、清武、乾、柴崎らが挑戦…レアル久保が新たに名乗り
日本代表MF久保建英は、レアル・マドリードB(カスティージャ/3部)への加入が発表されて以降、トップチームの北米遠征にも帯同して出場機会を得ている。バルセロナの下部組織育ちの選手がライバルであるレアル入りしたことも話題を呼んでいるが、スペイン紙「ABC」は、「中村から久保へ:日本人選手のスペインサッカーへの挑戦」と題して、日本人選手とスペインサッカーの歴史を振り返っている。
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現在、スペインの日本人選手では久保の他に、レスターから日本代表FW岡崎慎司のマラガ移籍が決定的(日本時間25日23時時点)、同MF乾貴士のエイバル復帰という話題がある。記事では、「徐々にこの東の国からの選手リストは大きくなっている。最初に扉を開いたのは財前宣之だった」と記した。元日本代表MF中田英寿が認めた才能の持ち主として知られる財前は、1996年にスペイン1部ログロニェスに加入したが、「スペインではなんの運もなかった」と表現され、負傷で出場のないままわずか1年でヴェルディ川崎(当時)にレンタル満了で戻った。
そして、続いたのは元日本代表FW城彰二がバリャドリードに移籍したことだった。1部リーグで初の日本人選手になった城は15試合で2ゴールだったが、「重大な膝の負傷によってスペインでのキャリアはすぐに終わった」と、メディカルチェックで膝の前十字靭帯が切れたままだったことが発覚して1年で日本に戻っている。その後にスペインでプレーしたFW福田健二については、「それまでの適応できなかった選手に比べ、メキシコや南米の経験が適応させた」と、一定の評価がされている。
「より多くの日本人がやってきた21世紀」と記されたきっかけを作ったのが、元日本代表MF中村俊輔(現・横浜FC)だった。スコットランドの名門セルティックで欧州トップレベルの実績を作り、念願だったスペイン移籍。しかし、エスパニョールでは12試合で無得点に終わり、「彼のクラブに期待された質を与えることに失敗した」と厳しい評価を受けている。また、2016年夏から半年間セビージャでプレーした元日本代表MF清武弘嗣(現・セレッソ大阪)は、「650万ユーロ(約7億9000万円)も払って取った選手だったが、驚いたことに裏口から出て行った」と酷評された。
そして、3つのクラブでプレーしたことになる乾は、「最も高いパフォーマンスを見せている日本人」と高評価。「デポルティボと契約した柴崎とともに、日本の戦いを示している」とされている。すでに決定している久保に加えて、岡崎もリスト入りすることが前提にされているが、スペインにおける日本人選手の評価をどれだけ高めていけるだろうか。