唯一の脅威と認めながらも、ピッチ上で激しい叱責

　ミハイロビッチ監督は、攻撃陣が守備に追われたことでパワーを失ったと話している。一方で、試合途中ではFWチェルチに対して激昂する場面もあった。その理由を問われると、もっとプレーに工夫が必要だったと苦言を呈している。

「私がチェルチに怒ったのは、相手の最終ラインの裏に走り込むプレーを全くせずに、常にボールを足下で受けていたからだ。相手DFから困難な状況を与えられていたならば、動き方を変える必要がある。そうはいっても、彼が良いゲームをしたと私は考えている。我々の前線の中で最も危険な存在であり、唯一相手を抜き去った存在だった」

　プレー内容に不満はありながらも、チェルチの持つ突破力がチームで唯一の脅威と語っている。

「まずは年末まで様子を見よう。目標は1月に“首位グループ”にいることだ」

　1月にリーグの首位に立つことを目標と話していた指揮官だが、敗戦を受けてその目標をやんわりと下方修正したことも明かしている。スコア以上の完敗とも言える試合内容に、発言のトーンは最初から最後まで低いままだった。

　この日後半から途中出場した本田圭佑と右ウイングの定位置を争う存在だったチェルチは先発の座を確保したかに見えたが、単騎突破を繰り返すワンパターンぶりで指揮官の不興を買ってしまった。8試合連続でスタメン落ちとなった背番号10もこの日見せ場なし。リーグ戦で1年以上ゴールから遠ざかっている男は、奇跡の先発復帰を果たすことができるだろうか。

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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images