「俺もバルサBからオファーあった」 元バイエルン宇佐美、久保のレアル移籍に持論「堅実」
18歳でレアルへ移籍した久保について言及 「Bチームに行くことを選択できるのは…」
実際、現実は厳しかった。“あの”バイエルン。出場機会に恵まれず、1年間でトップチーム出場は3試合無得点に終わった。当時は、もうミュンヘンの街が嫌いになりそうなくらい精神的にも肉体的にもダメージを受け、外へ気晴らしに行くことすらできなかった。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝のチェルシー戦(1-1/PK3-4)では、日本人で初めてCL決勝のベンチ入りを果たしたが、強豪への挑戦はわずか1年で終わり、翌2012-13シーズンからはホッフェンハイムへ期限付き移籍。ドイツ2年目は20試合2得点、世界とのギャップを知った。
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「(バイエルンではアリエン・)ロッベンとか(フランク・)リベリーとポジション争いすると思っていたから。できると思っていた。でも、テレビで見るのと実際練習するのは全然違う。練習でやってみないと分からない壁の高さがある。井の中の蛙であることを自覚するから。そこからする努力のほうがいい努力の仕方ができるし、いい歩み方もできると思う」
挑戦し、挫折した。13年夏に当時J2のG大阪へ復帰。失意の帰国だったが、全く後悔はしていない。宇佐美が最初にドイツへ渡ってから8年。今では10代で海外へ行く選手も増えた。日本代表の主力として活躍するMF南野拓実(ザルツブルク)も、MF堂安律(フローニンゲン)も19歳で海を渡った。
そして、今夏には6月のコパ・アメリカ(南米選手権)に出場したMF久保建英がレアルへ、MF安部裕葵が鹿島アントラーズからバルセロナへ移籍。特に久保は今季、Bチームにあたるカスティージャでプレーすると発表されているが、現在はトップチームに同行し、ICCでも好プレーを連発して評価を高めている。奇しくも、宇佐美が在籍したバイエルン戦で“デビュー”した18歳。宇佐美は久保とは「関わりはない」としながらも、自身の経験を交えて印象を語った。
「セカンド(チーム)よな? その『セカンドで行く』ということを選択できる、しっかりと(自分の)足もとを見られている感。他のリーガのトップチーム、ブンデス、セリエA、オランダとか(選択肢に)あったやろうけど、代表に入って注目されているなかで、Bチームに行くということを選択できる堅実さ。俺も(バイエルンからオファーが届いた)19歳の時、バルサBからオファーがあったから。その時、『ん~……。Bチームか~』と思っていた。Jリーグでデビューしてたら、もう(観客が)3万人、4万人のなかでプレーしている。Bチームやとそうじゃない。上がれる保証のほうが少ない。注目されても(他クラブに)移籍している選手もいっぱいいるやろうし……ご両親がしっかり育てられているんやろうな(笑)。若さも含めて引く手あまたやったやろうけど、堅実。成功して欲しいよね」