「『これ取れないな』と思った」 川崎の主力が痛感したチェルシーの“別格なポイント”
川崎の連動したハイプレスを“無力化”したチェルシーの中盤 「これは結構しんどいな」
川崎フロンターレは19日、明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2019でチェルシーと対戦し、試合終了間際にブラジル人FWレアンドロ・ダミアンが挙げた決勝弾により1-0で制した。プレミアリーグの強豪からつかみ取った勝利となったが、試合後、川崎の選手たちはチェルシーがピッチ上で示した次元の違いに驚きを隠し切れない様子だった。
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昨季のチェルシーはリーグ戦を3位で終え、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得。さらに、UEFAヨーロッパリーグ(EL)では優勝を果たし、充分な結果を手にしたシーズンと言えるものだった。しかし、ポゼッションサッカーをチームに植え付けたマウリツィオ・サッリ監督はわずか1シーズンで退任することになり、絶対的エースのベルギー代表MFエデン・アザールもレアル・マドリードへと移籍した。
大きな変革期を迎えたなか、チェルシーはクラブの英雄として絶大な人気を誇るフランク・ランパード監督を招聘した。試合前の記者会見でランパード監督は「私が求めるプレーは、エネルギーに満ち溢れ、スピード感のあるサッカーだ。ボールを失ったらすぐ取り返す、ボールを持っていたら、速く進める」と、“脱サッリ”を宣言していたが、川崎戦では、昨季磨き上げたスタイルが随所で輝きを放った。
「正直、前半を見ていて、『これは結構しんどいな』という印象。普段自分たちがJリーグでやっていることを、相手にやられているんだな、というのを感じた。自分たちが取りに行っても取れないし、縦に入れられて前を向かれて押し込まれて、それでライン下げられてしまっているから、取った時には前に(小林)悠しかいない、っていう。これをどう打破していくっていうのは非常に難しかった」
格上相手から手にした勝利だったが、試合後に元日本代表MF中村憲剛は、チェルシーのポゼッションに舌を巻いていた。川崎は試合序盤からハイプレスを連動させ、チェルシーの中盤に圧力を掛け続けたが、見事なパス捌きでかい潜られ、効果的なプレッシングにはならなかった。前半はチェルシーのポゼッションに翻弄され、効率的なパスワークからゴールを脅かされる展開が幾度となく続いた。最初の45分間を苦しめられた要因を、日本代表FW小林悠も振り返っている。