「私は泣かないぞ」 ドルトムント戦で闘病中の少年が“デビュー”…感動エピソードに反響
親善試合シアトル・サウンダース対ドルトムント、8歳の少年ゴイアルくんが先発出場
欧州のサッカーシーンは束の間のオフを終え、2019-20シーズンに向けた準備に入っている。多くのビッグクラブがプロモーションを兼ねてアジアや北米へのツアーに出向くなか、ドイツの強豪ドルトムントはアメリカでシアトル・サウンダースFCとプレシーズンマッチを戦った。3-1で勝利を収めたが、この試合での心温まるワンシーンに注目が集まっている。
ドルトムントは昨季のブンデスリーガでバイエルン・ミュンヘンとの優勝争いを繰り広げ、最終的に2位となったものの、印象的なシーズンを過ごした。新シーズンに向けてベルギー代表MFトルガン・アザール、ドイツ代表MFユリアン・ブラントらを獲得し、バイエルンから元ドイツ代表DFマッツ・フンメルスも3年ぶりに復帰するなど、精力的な動きを見せている。
現在はアメリカでのプレシーズンツアーを行っているドルトムントは、現地時間17日にシアトル・サウンダースと親善試合を実施。ビッグクラブがシアトルの地を訪れての一戦となったが、“主役”はサウンダースの先発GK。なんと8歳の少年、ビーム・ゴイアルくんがピッチに立ったのだ。
米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」によると、ゴイアルくんは急性リンパ性白血病を患い闘病中。幼稚園時代からサウンダースに魅せられ、2016年のタイトル獲得が人生最高の瞬間だと話す筋金入りのサポーターで、8カ月に及ぶ集中化学療法を経て4月に地元サッカーチームのU-9チームに入団。6月には4試合3得点を記録したという。
そんなゴイアルくんはボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ」のサポートにより、憧れのチームと7月に“契約”。世界的強豪であるドルトムントとの一戦で“トップチームデビュー”を飾ることになった。
サウンダースの公式ツイッターは、ゴイアルくんが先発出場してファーストタッチを決め、交代でピッチを去る際にスタンディングオベーションを浴びる様子を動画で公開。コメント欄には「おめでとう!」「なんて素晴らしいんだ」「サッカーの力だ」「私は泣かないぞ」とファンからの反響が寄せられていた。
サッカーを通じて実現した心温まるエピソードが、多くの感動を呼んでいる。