【奥寺康彦が直撃!】第1回|長谷部誠が明かす、海外で信頼をつかむための「コミュニケーション術」
「ドイツ語を覚えるためには……」
――ピッチの上で活躍するために、ピッチ外での付き合いをする必要もあるということでしょうか?
奥寺 チームによるかもしれない。ケルンではほとんどなかった。ブレーメンは田舎だったし、みんなで飲みに行ったりすることがあったかな。ブレーメンでは、新たにチームに入った選手の歓迎会をするんだよ。
長谷部 そういうのは、今でもありますね。
――サラリーマンの世界のようですね。
奥寺 そう。僕の時は、僕の他に新たに来た選手が2人、計3人を歓迎するためにみんなが集まってくれて、すごい飲まされた。彼らは新加入の選手にお酒を飲ませて、つぶそうとするんだ。でも、俺は負けなかった(笑)。
長谷部 それもコミュニケーションの1つで、大事なことですよね。それに、ドイツ語を覚えるためには、そういう場に行くといいですからね。
――ちなみに、メディアとの関係についてはどうでしたか?
奥寺 ブレーメンの時のオットー・レーハーゲル監督は、あまりメディアに話さないタイプだったね。
――後にギリシャ代表を率いて2004年のEURO優勝を飾るレーハーゲル監督はインタビューを受けないことで有名です。
奥寺 レーハーゲルは、僕らに「チームのことについて、話していいことは一切ない」と言っていたね。だから、僕らもチームのこととかは一切しゃべらなかった。個別のインタビューなどではある程度の話をするけど、試合が終わった後などは、当たり障りのないことを話していたな(笑)。ドイツは全般的に厳しい言い方をするんだよね。良い時は良いと言ってくれるんだけど。
長谷部 メディアに関していえば、日本とはやはり違いますよね。
【了】
ミムラユウスケ●文 text by Yusuke Mimura
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
〈『サッカーマガジンZONE』2015年8月号より抜粋して転載〉