「事実上の決勝戦」とも言われるブラジル対ドイツの準決勝が、日本時間7月9日午前5時にキックオフ!
ドイツ優位には違いないが…
チアゴ・シウバの代役は、強さと足下のうまさを併せ持つダンテが起用されるはずだ。バイエルンに所属するこのレフティーは、非常に優秀なセンターバックであるのは間違いないが、チアゴ・シウバに比べると若干、守備が軽い部分がある。相方のダビド・ルイスも少なからずミスをする選手なので、アンカーのグスタボを中心に最終ラインのカバーを徹底する必要がある。
ドイツは、チアゴ・シウバ不在の穴を突くだろう。ダビド・ルイスとダンテは対人戦が強いため、パスワークで混乱させたい。サイドへの展開だけでなく、質の高い縦パスを供給できるトニ・クロース、密集地で正確なプレーができるマリオ・ゲッツェ、左足で絶妙なスルーパスを出すメスト・エジルらでパスを回し、そこに絶妙なポジショニングを心得るトーマス・ミュラーが絡むことができれば、ブラジル守備陣を翻ろうできるに違いない。
ブラジルの攻撃に、多くの選手が複雑に絡む連動性は期待できない。個人のドリブル突破や、長めのパスからゴールを目指すことになるだろう。そこでドリブルを止められてしまうと攻撃が手詰まりになるため、ドイツは両サイドバックのシュコドラン・ムスタフィとベネディクト・ヘーベデスが対人戦で優位に立てれば、ブラジル攻撃陣を沈黙させることができる。
ドイツは開幕前から有力な優勝候補であり、優勝にふさわしいパフォーマンスを披露している。ドイツ優位は動かないが、ブラジルはこれまでの経験やホームアドバンテージ等から突破口を見つけたい。ネイマールとチアゴ・シウバの不在は痛過ぎるが、1994年の米国大会のように、レギュラーメンバーのけがや出場停止、ゲームメーカー不調という難題を抱えながら優勝した経験もある。事実上の決勝戦とも言われ、期待が掛かる両国の対決。平日ではあるが、早起きをオススメする一戦だ。
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
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