インテル長友復権の裏にあるもの 戦力外状態でも欠かさなかったオフ返上トレ
右サイドでの緊急出場にも難なく対応
長友佑都は、今年最後の日本代表戦となった17日のワールドカップ・アジア2次予選のカンボジア戦で、自らの価値を改めて示した。日本の「背番号5」は、2試合連続で先発フル出場。5日前のシンガポール戦(3-0で勝利)では左サイドバック(SB)を務め、この試合では右SBでプレーし2-0の勝利に貢献。バヒド・ハリルホジッチ監督の期待に応えてみせた。
日本代表では2010年5月の韓国戦以来となる右サイドでの先発は、酒井宏樹の発熱によって試合前日に急きょ決まったという。だが、長友は事もなげにこう振り返った。
「前日の夜に聞きました。代表では初めてですけど(実際は5年半ぶりの先発)、インテルでもやっているので、違和感なく入ることができた」
そうしたアクシデントにも対応できたのは、懊悩(おうのう)とした日々を乗り越えてきた経験があったからだろう。
所属のインテルでは今季序盤、ロベルト・マンチーニ監督の構想外となり、ベンチを温める日々を送った。だが、セリエA第9節パレルモ戦で今季初先発のチャンスをつかむと、第11節ローマ戦から2試合連続でフル出場。抜群の1対1の強さを生かしてチームの勝利に貢献し、マンチーニ監督からの信頼を再び勝ち取ることに成功した。
戦力外状態から失地回復に至るまでの過程では、たゆまぬ努力と、日々の練習での全力アピールがあった。だが、それも2010-11シーズン途中にインテルへ移籍してから、長友が現在に至るまで変わらずに示してきた姿でもあった。
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