開催国ブラジル優勝も飛ばされた大ブーイング… 指揮官の“大統領無視”の瞬間に反響
チッチ監督が優勝セレモニーでボルソナーロ大統領を無視したシーンが話題に
ブラジル代表は現地時間7日、コパ・アメリカ(南米選手権)決勝でペルーと対戦し、3-1で勝利。4大会ぶり9回目の優勝を達成した。サッカー王国の復権を印象づける南米制覇となったが、優勝セレモニーでチッチ監督がジャイール・ボルソナーロ大統領を無視した瞬間が話題を呼んでいる。
準決勝で宿敵アルゼンチンを2-0で撃破したブラジルは、前半15分にFWエベルトン(グレミオ)が先制点を奪うと、同44分にPKを決められ同点とされるも、同アディショナルタイムにFWガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)が追加点を挙げる。後半25分には1ゴール1アシストのジェズスが退場するアクシデントに見舞われるも、FWリシャルリソン(エバートン)が同45分に勝利を決定づけるPKを決めた。
開催国ブラジルの優勝に観客席は歓喜に沸いていた一方、表彰式で同国大統領のボルソナーロ氏が登場すると、一転して割れんばかりの大ブーイングが飛ばされた。そして、チッチ監督はボルソナーロ大統領からメダルを授与されるも、一切反応を見せずに素通りした。ボルソナーロ監督は慌ててチッチ監督を引き止め労いの言葉を掛けるも、俯いたままの姿勢に終始。しかし、チッチ監督は隣にいたブラジルサッカー連盟のロジェリオ・カボシオ会長とは熱い抱擁を交わす対照的な対応を見せていた。
ブラジルメディア「リビスタ・フォルム」は「チッチとマルキーニョスはボルソナーロとコパ・アメリカの優勝を祝うことを拒否」と見出しを打って報じ、チッチ監督の他にDFマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)も大統領を無視したことに触れ、「大統領と友好的に振る舞う素振りも見せなかった」と伝えている。
チリメディア「El Desconcierto」は「世論調査によると、ボルソナーロは今年1月から6月にかけて支持率が49%から32%に急落した」と、国民からの信頼が暴落していることを報じた。近年、主要大会で結果を残せていなかったサッカー王国ブラジルにとって、今大会の優勝は重要なものとなったと同時に、ボルソナーロ大統領の支持率が低迷している現状を世界に発信する機会にもなってしまった。