伏兵カンボジアに2-0辛勝 本田が日本代表史上最多W杯予選5試合連続弾

FIFAランク183位の格下カンボジア戦に苦戦

 ハリルジャパンに待ち受けていたのは想像以上のアウェーの洗礼だった。日本代表は17日、ワールドカップアジア2次予選の敵地カンボジア戦でよもやの苦戦を強いられた。相手のカウンターの場面でセンターバックはスピード不足と一対一の弱さを露呈したが、後半45分にFW本田圭佑(ACミラン)がヘディングでゴール。W杯予選5試合連続ゴールという日本代表新記録を樹立した。

 バヒド・ハリルホジッチ監督は12日のシンガポール戦からスタメンを8選手入れ替えた。チームキャプテンの長谷部誠や本田圭佑はベンチスタート。前線は香川真司をトップ下に配置し、右に原口元気、左に宇佐美貴史といったドリブルが武器の選手を起用。1トップには岡崎慎司が入った。

 13日にフランス・パリで発生した同時多発テロ事件を受け、キックオフ前には両チームが黙とうを捧げた。日本代表は選手だけでなくハリル監督ほかスタッフも含めた全員が右腕に喪章を巻いた。

 現地入りしてからのトレーニングで選手たちが警戒していた、人工芝での戦いは日本代表のパス回しに大きな影響を与えた。ロングボールを蹴った瞬間には選手たちの足下から黒いゴムチップが舞い、水を撒いていない状態のためボールの走りの悪さも目に付いた。前半16分に香川がトラップからのターンで右足のシュートに持ち込んだ場面でも、ボールが思いのほか走らなかったことでポイントがずれてしまい、シュートを枠外に飛ばしてしまった。それでも、何度かペナルティーエリア内でシュートを放つ形は作れていた。

 しかし、次第にFIFAランク183位の格下カンボジアが攻勢に出る。同21分には、カウンターからピンチを迎えた。カウンターでボールを受けたカンボジアFWラボラビーがドリブルで独走すると、DF吉田麻也は距離を詰め切れずにペナルティーエリア内でGK西川周作と1対1に近い状況でのシュートを許した。このシュートは枠を外れ、事なきを得た。続く同29分には、左サイドからドリブルで仕掛けたラボラビーをDF槙野智章が倒して警告を受けた。カンボジアのエースと呼ばれる選手に、日本のセンターバックコンビはスピード不足と一対一の脆弱性を露呈する格好となった。

 日本がボールを支配しながらも、山口蛍と遠藤航のダブルボランチが展開力の欠如を露呈。トップ下の香川が自陣深くボールを受けに下がらなければ、リズムが出ないというもどかしい時間が過ぎていった。カンボジアの単純なロングボールから相手FWが抜け出しにかかったところを、GK西川がペナルティーエリア外に飛び出してクリアするシーンもあった。5-4-1で守備を固めるカンボジアに対して、日本はなかなかペナルティーエリアに侵入していくことができなくなった。アディショナルタイム、香川の絶妙なロングパスに抜け出したDF藤春廣輝のシュートはゴールポストを直撃。表情を歪めた。

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