退場処分に怒りのメッシ、表彰式への登壇拒否 「腐敗した大会の一員でいたくない」
チリに2-1と勝利も…前半にメデルと小競り合いを起こし一発退場
コパ・アメリカ3位決定戦が現地時間6日に行われ、アルゼンチンがチリに2-1で勝利した。しかし、それ以上に物議を醸しているのは、前半途中に起きたFWリオネル・メッシとDFガリー・メデルへの一発レッドなど審判団の判定だ。14年ぶり2度目となる退場処分を受けたメッシは、怒りのあまり表彰式への登壇を拒否。スペイン紙「マルカ」によると、「こんな腐敗した大会の一員でいたくない」と怒り心頭だったという。
試合は前半12分にFWセルヒオ・アグエロ、その10分後にはFWパウロ・ディバラのゴールが生まれ、アルゼンチンが2点をリードした。しかし同37分、右サイドのディバラからのスルーパスに反応したメッシだったが、チリのペナルティーエリア内でメデルに体を入れられ、ボールはそのままラインを割った。その際、後ろから突き飛ばしたメッシに対し、メデルが怒りを露わにし、両者が胸をぶつけあってにらみ合った。確かにお互いにヒートアップしたとはいえ、悪質なファウルや暴力行為が見られなかったなか、ビバール主審は2人にレッドカードを提示。10人対10人になる事態に陥った。
試合は後半11分にチリのMFチャルレス・アランギスがアルゼンチン陣内のペナルティーエリア付近で倒され、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定によってPKに。同14分にMFアルトゥーロ・ビダルが決めて2-1となる。しかしこれもエリア外だったのではという微妙な判定となり、アルゼンチンとしてはフラストレーションが溜まるものとなった。
試合は結果的にアルゼンチンが勝利したものの、試合直後に行われたメダル授与式にメッシの姿はなかった。
「僕らはこんな腐敗した大会の一員でいたくないんだ。このコパの期間中になされた、尊敬を欠く一部分である必要はない。イエローカードで、僕ら2人は終わることができたはずだし。重要なのは、チームがコパを上手く終えたことだよ」
不平不満を滅多に漏らすことのないメッシが、これだけ言うのも珍しい。ブラジル戦ではPK判定ではないかというプレーに対してVARが使われず、CONMEBOL(南米サッカー連盟)に苦言を呈した。その直後の一戦でまさかの一発退場になったことで、感情が爆発したのだろう。今回もアルゼンチンとメッシは悲願の代表タイトルを手に入れられなかったが、それ以上にレフェリングでストレスが溜まってしまったのが、世界ナンバーワンプレーヤーにとって無念だったのだろう。