「究極の悪役」 9年前のスアレス“神の手セーブ”に再脚光「最も記憶に残る瞬間の一つ」
2010年南アフリカW杯杯準々決勝ガーナ戦での手を使ったセービング
バルセロナのウルグアイ代表FWルイス・スアレスは、ワールドカップ(W杯)に3度出場するなど、世界屈指のFWとして輝かしいキャリアを築いている。しかし、初参戦となった2010年の南アフリカW杯はベスト4に進出した一方、前代未聞の“神の手セーブ”が賛否両論を巻き起こした。英メディアが当時の写真を公開し、再脚光を当てている。
スアレスは母国のナシオナル・モンテビデオでプロデビューし、フローニンゲン、アヤックス、リバプールと渡り歩き、2014年7月にバルセロナへ移籍。世界トップレベルのストライカーとしての地位を確立しているが、その名が最初に世界中に知られることになったきっかけは、南アフリカW杯での“事件”だろう。
ウルグアイはグループリーグを首位通過し、決勝トーナメント1回戦ではスアレスの2得点で韓国を撃破。準々決勝でガーナと対戦した。ウルグアイは先制されながらもFWディエゴ・フォルランの同点弾で1-1として延長戦に突入。そのままPK戦に突入するかと思われた延長後半の終了間際、前代未聞のプレーが生まれる。
ウルグアイのゴール前で混戦が生まれ、ガーナFWドミニク・アディアーが決定的なヘディングシュート。GKフェルナンド・ムスレラもなす術がなく、ついに決着がつくかと思われたが、カバーリングに入っていたスアレスが、なんと手でボールをかき出した。当然、レッドカードを提示されて退場となり、ガーナにはPKが与えられたが、ガーナFWアサモア・ギャンが失敗。PK戦に突入し、これをウルグアイが制して準決勝進出を決めた。
この“事件”からちょうど9年が経過した2日、英サッカー専門メディア「Squawka」は「サッカー史上最も議論を巻き起こすセービング。究極の悪役」とコメントを添えて、歴史に残る決定的瞬間の写真を投稿。返信欄では「サッカー界の最も記憶に残る瞬間の一つ」「アフリカの新たな歴史を阻んだ」「スアレスの行動は大きな意味があった」と振り返るものから、「私はまだ彼を許していない」「コパ・アメリカでのPK失敗は報いだ」と今でも非難の目を向けるコメントもあり、大きな反響を呼んでいた。
南アフリカW杯以降もたびたび問題を起こしてきたスアレスだが、そのなかでもガーナ戦の“セービング”が歴史に残る一件となったことは間違いない。良くも悪くも、世界中のサッカーファンの記憶に刻まれるワンシーンとなっている。