あれから11年… トーレス、スペインのサッカー史に刻む伝説の決勝ゴールに再脚光
EURO2008で決勝弾を決めたトーレス 「どれほど幸せだったか…」
サガン鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスは23日、現役引退の記者会見を開き、今夏でスパイクを脱ぐことを表明した。18年間のキャリアで多くの得点を決めてきたが、EURO2020公式ツイッターは11年前の6月29日に行われたEURO決勝で、トーレスが決めた値千金の決勝ゴールに再脚光を当てている。
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アトレチコ・マドリードでトップデビューを果たしたトーレスは、19歳でキャプテンを任されると、類稀なゴール嗅覚を発揮し“エル・ニーニョ”(神の子)の異名をとった。その後、2007年にリバプールへ移籍するとゴールを量産し、世界的ストライカーへと飛躍。チェルシーではスランプに陥るも、ACミランを経て古巣アトレチコへと復帰した。
そして昨夏に鳥栖へ加入。熾烈な残留争いに巻き込まれるも、前線で体を張るターゲットマンとして“フォア・ザ・チーム”のプレーに徹し、残留に貢献した。今季は度重なる負傷離脱やルイス・カレーラス監督の解任もあり、現在の金明輝監督の下では先発から外される試合が増えるなど厳しい時期を過ごし、シーズン半ばで引退を決断することになった。
トーレスと言えば、2008年のEURO決勝でドイツ相手に決めた決勝弾が象徴的なゴールとなっている。前半33分、MFシャビのスルーパスに抜け出すも、相手DFフィリップ・ラームに先に体を入れられてしまう。GKイェンス・レーマンがボールを押さえようと飛び出してきたが、瞬発力を生かし、ラームの外側から上手く回り込んだトーレスがGKに触られる前にチップキックでループシュート。ボールはGKの頭上を越えてゴール左隅に吸い込まれた。
このスペインをEURO初制覇へと導く歴史的な一撃は、11年前の6月29日に生まれており、EURO2020公式ツイッターは同日に該当シーンを動画で公開。トーレス自身も公式インスタグラムで当時の写真を公開し、「『よく聞け! 我々の時代がやってきた…』どれほど幸せな日だったか」と文章を添えた。現役生活に終止符が打たれるまで残り2カ月を切ったが、トーレスが決めた殊勲の決勝弾は伝説として、これからも語り継がれていくことだろう。