【高校選手権】正智深谷が激戦の埼玉県予選を制し3年ぶり2度目の全国へ

粘り強い戦いで172校の頂点に立つ

 1点を追う西武台はクロスボールを多用し、CKを次々に奪って猛攻を仕掛けたが、準決勝でPK戦の勝利を呼び込んだ正智深谷のGK戸田海斗(2年)が立ちはだかった。積極的に前に飛び出してパンチングでクリアし、ゴール前でのシュートを許さなかった。西武台は試合終了直前に、新行地のクロスを山口大輝(3年)が胸トラップして左足で強烈なシュートを放つビッグチャンスを迎えたが、GK戸田の正面。直後にタイムアップの笛が鳴り響いた。

 西武台の守屋監督は「彼らなら取り返せると思ったが、あまりにもゴールが遠かった」と沈痛。「放り込むだけでなく、サイドや中央から崩したかった。慌ててしまった」と、追いかける展開になったことを悔やんだ。一方で、「この世代は3年間で一番伸びてくれた。技術的にも、人間的にも成長してくれました」と、3年生たちを労っていた。

 優勝した正智深谷の小島監督は「実感がなく、よく勝ったなという感じです」とほっとした表情。「立ち上がりに西武台がかなり飛ばしていた中で先制できて、自然と後ろを固める形になったのがうまくハマりました。組織的な守備に取り組んできて、後半の半分を過ぎた頃にはいけるかなと感じました」と、ゲーム展開を味方につけられたと話した。そして、3年ぶりの全国の舞台に対しては「まずはこの県大会の疲労を回復して、対戦相手への準備も必要です。全国を戦えることへの感謝の気持ちを忘れず、サッカーを楽しみたいと思います」と意気込みを語った。

 埼玉県172校による激しい代表争いは、正智深谷の粘り強い戦いぶりに栄冠が輝いた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

荒川祐史●写真 photos by Yuji Arakawa

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