【ベスト4決定】 手札はすべてさらけ出したか…ファン・ハール戦術の奥行き
オランダに「もうひとつの顔」はあるか?
戦術的に手詰まりに陥ってなお、戦略カード、つまりはPK専用のGKを残すにぬかりないファン・ハールの準備には感嘆させられる。だが、チームの戦術的な適応力は限界に近づいている。特に、カウンターの状況を作為できない場合、ワイドな攻撃への移行で試合を動かせない場合には打つ手がなくなっている。このチームは優勝の可能性を期待できるところまで歩を進めている。準決勝をものにし、さらにその先を臨むためには何かもう一つ、別の顔を持つことが必要だと感じる。
もし、そんな別の顔があれば、この「経験のない」「持たざる」チームが戴冠まで駆け上がるサプライズを我々は目にすることができるかもしれない。今大会、オランダ代表が見せてきた戦術の徹底、妙手の数々を思い起こせば期待が高まるばかりだが、全てはファン・ハールのみぞ知る、というところだ。
取材・文=五百蔵 容(シナリオライター) 企画/COACH UNITED編集部
※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
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