韓国勢のACL“全滅”に母国紙が危機感 出場枠減を危惧「Kリーグの国際競争力は落ちた」
ACLベスト16で蔚山現代が浦和に、全北現代が上海上港に敗れて敗退
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は26日にラウンド16第2戦が行われ、蔚山現代(韓国)が浦和レッズにホームで0-3と敗れた。2戦合計スコアが2-4となり、ベスト8進出はならなかった。
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また、同日に全北現代(韓国)もホームで上海上港(中国)と対戦し、1-1で引き分け、2戦合計2-2となり延長戦へ。それでも決着がつかず、上海上港がPK戦を5-3で制した。これにより韓国勢は、ベスト16で今季のACLからすべて姿を消すことになったが、スポーツ紙「スポーツ東亜」は「Kリーグの国際競争力は落ちた」と報じている。
「韓国サッカーの6月は“悔しさ”で終わった。“現代家の兄弟”が同時に脱落したことを見過ごせない理由がある。それはACL出場権だ」とし、現代グループを母体とする2チームの来年ACL出場権について言及している。
同紙は「FIFAランキング、クラブ順位、国際大会の成績を基準に、AFC(アジアサッカー連盟)がACL出場権を配分している。2021年から出場権の配分が再び変わるからだ。AFC規定によれば、東・西アジア上位1、2位の協会は3チーム+1チームで、3、4位の協会は2チーム+2チームが配分されている。地域別順位はFIFAランキングとAFCクラブ順位が反映される」と説明。そのうえで「今季はKリーグと中国スーパーリーグが、3チーム+1チーム、Jリーグが2チーム+2チームを持っているが、今年のACLベスト16入りは中国と日本が3チームずつ、韓国は2チームだけ残った。つまり、今年の成績がそのまま反映される場合、Kリーグが日本のJリーグの場所と入れ替わる可能性がある」と、ACL出場枠が減る可能性に危機感を募らせている。
そうなった場合、韓国の国内リーグとカップ戦の優勝チームがACL出場権を獲得でき、リーグ2、3位はプレーオフに回ることになる。こうした事態を危惧する声は、以前から韓国サッカー関係者の中でもあった。実力でなんとか体面を保ってきたKリーグだが、少しずつ勢力図は変わっていくのかもしれない。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。