リバプール「黄金期到来」の予感 CL制覇による“クロップの覚醒”と好敵手マンCの存在
トットナムは今季CL決勝で敗れた悔しさが原動力になるか
それに昨今気になるのが、英公共放送「BBC」をはじめとする英メディアが報じる、シティのFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)違反問題。コマーシャル料として計上されている収入が、実は富豪オーナーの個人資金投入だとの疑惑があるが、これがもし事実なら補強禁止処分はもちろん、2020-21シーズンのCL出場停止処分も検討される可能性があると報道された。
補強禁止処分は現在、前述したコンパニ、ダビド・シルバ、フェルナンジーニョをはじめ、数名の入れ替えが必要になったスカッドの選手循環を文字どおり断ち切ることになるし、CL出場停止になればこれは精神的な大打撃をチームに与えるはずである。
もちろん、そうは言っても今季のプレミアで大ブレークしたイングランド代表FWラヒーム・スターリングや、故障が多く残念なシーズンになったケビン・デ・ブライネが1年を通して本領を発揮すれば、戦力的には来季もCLの優勝候補の本命だ。
それに国内三冠を達成したグアルディオラにとって、来季こそは真剣に欧州王者を目指すシーズンになる。これまでは一貫して「プレミア優先」を唱えてきたカタロニアンだが、就任4季目は欧州制覇にその照準を定める可能性は高い。
こうしてリバプールに対抗する7強を見渡すと、モウリーニョは候補に挙げなかったが、マウリシオ・ポチェッティーノが残留し、今夏効果的な補強をすることを条件に、トットナムにも2年連続となる決勝進出のチャンスがあると思う。
ハリー・ケイン、デレ・アリ、クリスティアン・エリクセンらチームの主力はまだまだ若いし、今季のCL準々決勝で本命シティを破り、決勝トーナメントでレアル、ユベントスを連破して勢いに乗っていたアヤックスを劇的に葬った経験と、決勝で敗れた悔しさが、来季のCLで再び台風の目となる原動力になっても不思議はない。
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森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。