「スポーツマンシップは究極の心理戦」 号泣なでしこへの抱擁に米紙持論「優しさは…」
女子W杯ベスト16敗退のなでしこジャパン オランダ代表選手が見せたスポーツマンシップが話題に
なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間25日、フランス女子ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でオランダと対戦し、1-2で敗戦。試合終了とともにピッチ上で泣き崩れるDF熊谷紗希(リヨン)に対するオランダの選手が見せた振る舞いに対し、海外メディアは称賛の言葉を送っていた一方、別記事では「スポーツマンシップは究極の心理戦」と表現し、その狙いについて持論を述べている。
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グループDを2位通過した日本は、グループEを3連勝で首位突破したオランダと対戦。前半17分に先制点を奪われるも、同43分にMF長谷川唯(日テレ・ベレーザ)がゴール右上に突き刺す一撃を決めて1-1の同点に追いついた。しかし、後半43分に熊谷がペナルティーエリア内でハンドを取られてPKを献上。これを確実に決められ、日本はベスト16で姿を消すことになった。
3大会連続の決勝進出を見据えていたなでしこジャパンにとっては、悔やまれる敗退となったが、米紙「USAトゥデイ」は「物議を醸す終幕の直後、敵同士が美しい瞬間を共有」と大きく取り上げ、試合終了後にピッチに泣き崩れた熊谷のもとにリヨンで同僚のオランダ代表FWシャニセ・ファン・デ・サンデンが歩み寄り、温かく抱き締めた様子を伝えていた。
しかし、同メディアで掲載された別記事では、「スポーツマンシップは究極の心理戦」と見出しを打って報じ、「勘繰らなければならないこともある。この振る舞いにより、オランダというチームと対戦する際は、いつでも日本の脳裏にこの日のことが浮かぶことになる。心からの礼儀、人間性、品格を持って接してもらった相手に対し、モチベーションを燃やして戦うことができるだろうか?」と、次回戦う際の布石にもなり得ることを指摘している。
「競争上のプロアスリートとして、勝利に闘志を燃やすのは当然であるのと同時に、善良な心を持つ一般人として、素晴らしい振る舞いに感謝してしまうはずだ」と綴り、「優しさは戦意喪失を促すこれ以上ない戦略だ」と主張している。オランダは敗者となった日本に対し、純粋な励ましを見せているように映ったが、同メディアの記者のような見方をする人々も一定層いるのかもしれない。