遠藤、名波の後継者になれるのか “走るファンタジスタ”柏木が強調した「布石のパス」
ハリル監督絶賛 戦術眼の高さも披露
ハリルジャパンの中心で、左足からの長短のパスを駆使してゲームメイクする「背番号7」の姿があった。12日のワールドカップ・アジア2次予選のシンガポール戦で、2012年2月24日の国際親善試合アイスランド戦以来となるスタメン出場を果たしたMF柏木陽介(浦和)は、確かな存在感を発揮していた。
招集メンバー発表時、バヒド・ハリルホジッチ監督は柏木を高く評価し、絶賛していた。
「後ろからの組み立てに能力がある。運動量とゲームビジョンが素晴らしい。攻撃面でしっかりとバランスを取ってくれる。中盤に左利きの選手がいるのは面白い。彼にはすごく期待している。ビルドアップでもっともっとテクニックをもたらしてほしい。特に中盤の低いところから高いところ、特にFWへつなげていってほしい」
シンガポール戦での柏木は、その期待にしっかりと応えたと言っていいだろう。ダブルボランチを組んだ長谷部誠(フランクフルト)の前にわずかなスペースがあるのを見逃さず、シュートを打てる空間に置くような正確なパスを出した。右サイドでDF酒井宏樹(ハノーバー)、FW本田圭佑(ACミラン)との3人でダイレクトパスをつないで崩し切ったシーンなど、決定的な場面につながるプレーも披露している。
そして、運動量の多さが長所の柏木だが、ボールを持っていない時の戦術眼の高さも披露した。「監督には左にいたら左、長谷部さんが右にいるのに右に行くなという感じでは言われていた。そこは動きすぎないように意識していた。ただ、(パスを)出して常にサポートに行くことは意識していた。もし、自分がスペースを消していたら前に出ていったりを意識していた」と、ハリル監督の指示を消化しつつも全体のバランスを崩さなかった。