急成長を遂げた「なでしこの次世代ボランチ」 躍進する仙台で川村が抱く使命感
代表に定着し、芽生えたリーダーの自覚
ベガルタは、設立の経緯からしても大きなものを背負っているチームだ。11年3月に発生した東日本大震災の影響で、東京電力女子サッカー部マリーゼが休部することになった。その受け皿になる形で12年に創立された。リーグ規定により、初年度は当時の名称で2部にあたるチャレンジリーグからのスタート。1年で1部昇格を勝ち取ったチームに、川村は14年から加入した。それからの2年間で、チームが持つ使命も感じながらプレーしているという。
「ベガルタは、被災地で試合をすることも多いチームです。そうした被災した方々に勇気や感動を与えていく宿命があるチームだと思っています。監督やスタッフ、チームメートの支えがあってこそですし、サポーターの存在がなければ成り立ちません」
背負っているものも多いチームだが、背中を押す力も大きいはずだ。そうしたものが、順調に躍進を続けていくチームの力になっているのかもしれない。
来年は、2月からリオデジャネイロ五輪への予選が始まり、8月には本大会がある。「まだまだ成長が必要ですし、まずは選ばれるように頑張りたい」と語った川村。167センチと恵まれた体格を持つ次世代なでしこの中心ボランチは、目下急成長を見せている。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
荒川祐史●写真 photos by Yuji Arakawa
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