急成長を遂げた「なでしこの次世代ボランチ」 躍進する仙台で川村が抱く使命感

女子W杯に出場 「サッカー人生で一番充実した1年」

 大きな成長を見せ、自身で変化を手繰り寄せたシーズンでもあった。ベガルタ仙台レディースのなでしこジャパンMF川村優理は、2015なでしこリーグの戦いで初のベストイレブンに選出された。チームも、歴代最高成績となる2位でフィニッシュ。「みんなが勝つという気持ちを出せたことが大きかった」と振り返った。

 川村にとって、15年は激動のシーズンになった。6月から7月にかけて開催された女子ワールドカップ・カナダ大会のメンバーに名を連ねると、2試合に出場。ボランチとセンターバックの両ポジションでプレーできる貴重な存在となった。8月の東アジアカップでは、佐々木則夫監督が「チャレンジなでしこ」と命名した若手中心のチームでキャプテンを務めた。そして所属クラブでも中核を担いチームも躍進と、日本女子サッカー界の中で大いに存在感を高めた。

「サッカー人生の中で、一番充実していた1年でした。たくさんのことを経験できたと思います。そうした中で、サッカーに対する姿勢や考え方が変化しましたし、代表での経験によってチームでは自分が引っ張らなくてはという気持ちが芽生えました。代表に選ばれて、サポーターにも注目してもらえていますから」

 川村は、そう振り返った。同じボランチのポジションに宮間あや(岡山湯郷)、阪口夢穂(日テレ)、澤穂希(INAC)といった、2011年の女子ワールドカップ・ドイツ大会の優勝メンバーに加え、フランスで活躍する宇津木瑠美(モンペリエ)といった面々がズラリと名を連ねる中で、世界最高峰の戦いに身を置いた。そして、その4人がいない若手メンバーの中で、チームの中心になることが求められた。チームリーダーとしての意識が強まるための条件は、十分以上に揃っていた。

 

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