ユニ真っ二つのシーンこそが最大のチャンス

　もちろん、相手が自陣に引きこもる展開では、ボールを受ける回数は必然的に減ってしまう。しかし、あえて組み立ての部分にはあまり参加せず、高いポジションを取ることで得られるものはあったという。清武自身が試合後にその例として挙げたのは、前半23分、この試合で初めてお披露目された日本代表ユニフォームが無残にも真っ二つに裂けた、あのハプニングに見舞われたシーンだった。

「（1トップの金崎）夢生くんと近くなったことで、僕に（ボールが）入った時にワンタッチで叩ける。ユニフォームが破れたシーンの時は、破れてなかったら、たぶんゴールまで行けていた。ああいうワンタッチで崩せる形というのは、FWとの距離が近かったからプラスになったのかなと思います」

　大分トリニータとニュルンベルク時代のチームメートで、アウエーゲーム前の試合ではルームメートでもあった。公私ともに仲の良い金崎との絶妙なコンビネーションーー。清武自身が振り返った23分のプレーは、柏木の縦へのくさびのパスをワンタッチで金崎に渡すと鋭くターン。ダイレクトで戻ってきたボールを受けて一気に縦のスペースへ抜け出る場面で、ユニフォームが破れてプレーが中断してしまった。