クリーンシートの裏側に 1つのポジショニングに込めた守護神西川のメッセージ
5試合連続先発で選外中の川島との定位置争いに差を付ける
ハリルジャパンのゴールマウスに西川周作(浦和)が立つことは、5試合連続になった。12日のワールドカップアジア2次予選の敵地シンガポール戦は、日本が3-0で勝利を飾った。西川こだわりの無失点で飾った。
「今日は本当に無失点で終わることがチームとしては大事でした。一方的な試合になるのは想定していたので、とにかくピンチに備えていい準備をして相手に仕事をさせなかったというのはあったと思います」
6月16日のホームで対戦したシンガポール戦は、圧倒的に攻撃しながらスコアレスドローに終わった。西川はベンチから見守った試合だが、そのゲームを踏まえても守備機会は多くないことが予想された。だからこそ、その少ないピンチすら未然に防ぐことを重要視した。シンガポールのピッチに降り立ったハリルジャパンは、特に前半、攻撃に人数を掛けつつ奪われたボールを敵陣で奪い返し、そのまま次の攻撃につなげていた。チーム全体としての守備はよく機能したと言えるだろう。
ビルドアップへの参加が武器の西川から見ても、攻撃のスムーズさは強く感じられたという。
「1タッチで崩そうという意識が強かったのは非常に良かったですし、縦に3人目の動きが非常に多かったと思います。(柏木)陽介からも非常にいい組み立てがありましたし、(金崎)夢生なんかも初先発とは思えないぐらい伸び伸びとプレーしていたので良かったですね」
一方で、後半の停滞した攻撃には「もっと自分たちでアクションを起こして点を取りに行く姿勢を見せられたら良かった」と反省した。実際に、クロスとセットプレーから1つずつ危険なシーンを作られた。どちらもシュートが枠を外れたことで西川のセーブという記録にはならなかったが、暑さの中で運動量が落ちたなりにゲームをコントロールすることも必要だった。そして、西川は「また次の糧にして、うまく修正してカンボジア戦は今日の反省を生かしていきたい」と語り、17日の次戦カンボジア戦に目を向けた。