「ウルグアイ戦出場14人」を金田喜稔が採点 「最高級」と称賛のプレー、“物足りない”選手は?

ウルグアイの左CKから冨安がDFヒメネスに競り負け、ヘディングでの同点弾を献上した【写真:AP】
ウルグアイの左CKから冨安がDFヒメネスに競り負け、ヘディングでの同点弾を献上した【写真:AP】

冨安が体感した“届かない世界” ヒメネスのCK弾は相手を称えるべき

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■杉岡大暉(湘南)=★★★★

 チリ戦より良いタイミングで、回数は多くなかったが的確な攻撃参加ができていた。後半14分に生まれた2点目は、まさにそれを象徴するシーンで、中島の外を回ったオーバーラップから際どいコースにクロスを上げ、相手GKのこぼれ球を誘った。あの展開は素晴らしく、使う中島も上手かったし、杉岡の上がるタイミングも良かった。後半、相手に押し込まれる苦しい時間はあったが、チリ戦よりも攻守両面において自分の良さを出し切れたように見えた。

■冨安健洋(シント=トロイデン)=★★★★

 スアレスとカバーニと90分にわたって対峙した経験値は相当なものだろう。相手はともに体が強く高さもあり、距離が離れていても2人のアイコンタクトで連動してくる。一瞬の隙も許されない状況で、流れのなかからゴールを与えなかったことは、2失点を喫したとはいえセンターバックとして評価したい。CKから奪われた2点目のシーンは、冨安としては体を張って止めたかっただろう。だが、どんなにギリギリの勝負を演じていても“届かない世界”はある。あれだけ質の高いボールが来て、ヒメネスという世界屈指の強靭なセンターバックに、競り合いながらもヘディングシュートを逆サイドネットに飛ばされた。相手を褒めるしかないレベルのシュートだった。

■植田直通(セルクル・ブルージュ)=★★★

 植田も冨安と同様、スアレスとカバーニという世界屈指の2トップを相手に奮闘し、ディフェンスリーダーとして守備を破綻させなかった働きは評価に値する。ただ、この試合の植田を語るうえで外せないのは、前半25分の先制点から4分後、ペナルティーエリア内でカバーニへのファウルを取られてPKを献上したこと。あれは普通、VAR判定になったとしても主審によっては反則を取られないと思うが、VAR判定になるような足の上げ方をエリア内でしたことがすべて。審判団に不信感や疑問を与えるようなプレーを、DFがしてはいけないということだろう。特に浮き球の処理では、足裏が見える足の上げ方をして接触すると、南米のストライカーは痛がり、それがVAR判定へとつながってしまう。そうした経験ができたことは、植田自身にとっても良かったと言える。

■岩田智輝(大分/→後半42分OUT)=★★★

 ポテンシャルはあるのだろうが、ゲームの流れになかなか溶け込めなかった。対面のロデイロは、流れのなかで中に絞るなどポジションを微妙に変えてくる。そうした中途半端な位置取りをしてきた時に、柴崎やセンターバックとどのように受け渡すのかが、あまりはっきりしていなかったように見えた。攻撃面でも三好のサポートや、追い越す動きで目立ったプレーを見せられず。大きなミスを犯したわけではないが、チームのなかでやや“浮いていた”ように感じた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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