苦戦の南米2強と充実のコロンビア、想定内の日本… コパ序盤戦に見る各国の明暗
アジア王者の面目を保ったカタール、パラグアイに0-2から追いつく
大会初参戦のカタールは、初戦のパラグアイ戦を2-2で引き分けた。0-2から追いついたのは驚きだった。第2戦ではコロンビアに0-1で敗れたが、アジア王者の面目は保てている。
プレースタイルはヨーロッパナイズされたサウジアラビアといった感じ。パラグアイ戦の4-3-3システムは左右対称のシンメトリーだった。左右のセンターバック、サイドバック、インサイドハーフ、ウイングがそれぞれよく似たタイプで、人種まで近い。ペアのいないピボーテとCFが、ある意味キーマンなのかもしれない。運動量と守備で奮闘するアンカーのアッシム・マディボ、得点力抜群のエースであるアルモエズ・アリの2人だ。
初戦でチリに完敗した日本は、実質的に五輪代表なので苦戦は想定内だろう。ただ、あまりにも不甲斐ない試合ばかりだと、もう呼んでくれなくなるかもしれないので、しっかり爪痕は残しておきたい。
西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。